ニュース&トピックス

ニュース&トピックス

shashinten.jpg

2011年は、国際森林年。世界中の森林の持続可能な経営保全の重要性に対する認識を高めることを目的として、国連が定めたものです。

日本でも、企業・団体や個人の方が、様々な取り組みを
行っていますが、こちらの写真展もその1つ。

川廷昌弘さんは、広告会社の業務として行政の森林に関する普及啓発に関わりながら、ご自身も写真家として林業を営む山に入り作品を発表している方です。

単に自然として捉えた森ではなく、そこに世代を超えて紡がれて来た人々の生活や想いを映す姿としての森、その美しい一瞬を、ぜひご覧になってください。編集部スタッフも見に行きます。


================================
   川廷昌弘写真展 「人工林の美、林業の現場」          
================================

 キヤノンギャラリー銀座  9月15日ー9月21日
 キヤノンギャラリー名古屋 9月29日ー10月12日
 キヤノンギャラリー梅田  10月27日ー11月2日

================================


都市に暮らしながら、山に想いを馳せる。

水道の蛇口をひねって出てくる水も、口にするさまざまな農作物を育む水も、家の中にある木材製品も、すべて緑深い山々の恵みもの。そんな山々に人々は古くから生業としてかかわってきた。日本は海に囲まれた島国でありながら、国土の約7割が緑に覆われている森の国。私たちは都市生活に幸せを求めて、自然の恵み、地域の個性を記憶の中に置き忘れて、高度経済成長期を暮らしてきた。地球温暖化、生物多様性の損失、砂漠化の進行、地球の危機が叫ばれ、どこから手を付けて良いのか途方に暮れてしまう日々、そこにあの災害。この国が災害の多い国であり、自然との共生は自然への畏敬の念を持って生きる事だという空気感が醸成され、自分が立っているところから何ができるのか、今まさに生き方が問われている。

国連は、今年を「国際森林年」と定めて世界中で「森と人と素敵な関係」を問い直している。日本の林野庁は、本来の木材利用だけでなく、森林セラピーなどの文化的なサービスや、二酸化炭素の吸収、バイオマスエネルギーの利活用による二酸化炭素の排出削減など、温暖化対策を含めた森林の多面的機能を市民に理解を求めるため、森林林業作業計画の中で「国民参加の森づくり」として、企業の森づくり、山村交流での里山林の再生、そして森での環境教育など、アクションを呼びかけている。森の国民運動である「フォレスト・サポーターズ」は、日常生活での国産材利用による「木づかい運動」を加えた4つのアクションで、山と都市をつなぎ生活実感をテーマに活動を強化している。

僕は、広告会社の業務として、一般社団法人の活動として、そのような普及啓発にかかわりながら、理解を深めるために写真家として林業を営む山に入り撮影している。

林業は「心・技・体」。すべてを兼ね備えなければ、本当の「良い山づくり」はできない。技術が一流でも、小さな山の声が聞こえなければ自然は応えてくれない。僕が山で会った「樵(きこり)」たちと語り合って実感したこと。山の中では一人一人一日一日の小さな積み重ね、気の遠くなるような作業が続く。しかし、その一つ一つに充実感がある。自分たちの山づくり、つまり机上でいうとプランやデザインが、50年後、100年後、次世代に引き継がれていく。僕たちは会社の仕事で50年後、100年後の後輩たちのことを考えて仕事をしたことがあるだろうか?、、、山は自然のサイクルで考え、地域の規模で経済を考える。

人の手が入ることで木々は健全に育ち、さまざまな生き物たちは住処をシェアし合う。そうして日本の資産のひとつである、美しい「人工林」という景観が育まれている。そしてCO2の吸収力が高まり、生物多様性が育まれて、価値ある材となる。愛情たっぷりの持続可能な森づくりが、地域を、国を、地球を、救う。

撮影をしているとき、僕はどこからか「山の精霊」に見守られていたように感じたと、あるとき山を持つ林業家に話をすると、日本の山では「生物多様性」だけでなく、「万物多様性」が育まれているのだと教えられた。魑魅魍魎が跋扈し、八百万の神がおわす、ここは多神教の国であり「伝承の国」日本なのだと。

都市に暮らす私たちが忘れかけていること、大切なのは「いのちといのちのつながり」を考えること。衣食住はいのちあるものに支えられている。たとえば食卓では「いのち」を「いただきます」。いのちの源、水。水を育むのは山、そして川となって都市をながれ海につながる。「都市に暮らしながら、山に想いを馳せる。」それだけで心豊かな都市生活が創造できると思う。

そして国連はもう一つ、日本の市民の提案を受け入れ、今年から「国連生物多様性の10年」と定めて、地球と人間の関係を見直す最後のチャンスとした。2012年にはブラジルで20年ぶりの地球サミット[RIO+20]が開催される。問われているのは、地球規模の問題解決は一人一人が足元を見つめ直す事だと思う。

僕は、地域の大切な資産、守りたい風景、記憶の風景を撮る。


================================

▼facebook イベントページ
川廷昌弘写真展「人工林の美、林業の現場。」
http://www.facebook.com/event.php?eid=211603585562801


▼川廷昌弘さんのブログ「鵠沼写真日記」はこちら
〜川廷昌弘写真展「人工林の美、林業の現場。」
http://kawatei.seesaa.net/article/215343311.html


Cyberforest for Environmental Education (CF4EE)
信州大学志賀自然教育園ライブ音 #otanomo
University of Tokyo Cyberforest CC-BY-SA 4.0