トークセッションの後は、質疑応答へ突入。熱い思いと知恵を駆使しながらそれぞれの立場で活動されている参加者の方達が、次々に質問をされました。それを受けて、善養寺さん、角田さん、伊達町長、枝廣が丁寧に応答。多くの方が、たくさんのヒントを学び、励ましを得たに違いありません。
木造建築の話をたくさん学びましたが、地震が多い日本で「耐震」はどうなのでしょうか。
地球メタボリック症候群対策協会事務局のOさん
建築基準法上の耐震の設計の内容は、木造も鉄筋コンクリートも鉄骨も、かける力は一緒です。ただ、いちばん強い建築が造れるのは、住宅レベルなら木造。耐震性能2倍、3倍というオーダーで造れるのは木造だけです。鉄筋コンクリートで耐震性能を大きく持たせようとすると、素材そのものが重過ぎるために、自重とのバランスで住宅としては難しい。木造は軽いので、壁をしっかりバランス良く造って、それぞれの強度を持たせられ、しかも粘りがあるので、しなって戻りしなって戻りして、余震が来ても耐える建築というのが可能です。
善養寺
材料の特質を非常に活かして、一つ一つ丁寧に造っていく。住宅とは、そういうものだと思います。今、世の中の風潮は工業住宅化で、どういうマニュアルを作って耐震設計をクリアする安全な家を提供するかという傾向になっていますが、もっと人それぞれの選択に合わせ、そして、天然材料としての木材なり土なりを上手に活かしていきたい。法隆寺は千数百年も持っているのだから、決して木造住宅が耐震性が弱いということではないわけです。木材が持っている柔軟性を活かした強度、耐震性という考え方も当然あるわけで、それがやはり日本の住まいの文化であり、木の文化であり、自然素材の文化だと思います。
角田
何らかの形で世の中を変えていくことが必要なときに、大きく仕組みなり制度を変えるというやり方もありますが、今日のお話を聞いていると、核になる人に火をつけてだんだん広げていくというのもあるのだと思いました。世の中を変えていくのにどんなやり方があるかをお聞きしたいです。
森林ボランティア団体「森倶楽部21」、ジャパン・フォー・サステナビリティのサポーター、Hさん(長野県)
ご自分が真っ先に世の中を変える仕事をしていこうという、一人ひとりの思いは非常に大事です。もう1つ大事なのは、全体を変えていく1つの政策や知恵です。たとえば、個人の環境に対する思いには、日本もヨーロッパもそんなに差はないでしょうが、環境にやさしい政策を実践しているかという点では、ヨーロッパ諸国の政策が非常に優れた展開をしている反面、日本では残念ながら炭素税ひとつ実現していません。ですから、それぞれの思いを社会全体の変革、チェンジにつなげていくためには、日本の国の仕組みそのものを変えていくような政策を、みんなの力で実現していくことが大事ではないでしょうか。
角田
岩泉は広葉樹で栄えた町だというお話がありました。東京でも一時、広葉樹は大切にされたのですが、林業家からは「最近、結局のところは針葉樹でしか儲からないんだ」という話も聞きます。広葉樹はどういう用途で売れているのか、伊達町長にお伺いします。
環境省環境カウンセラー、Uさん
岩泉町の広葉樹の用途ですが、昔は、炭坑に丸太材を供給し、穴を掘ったところを囲っていました。その後は枕木材、木炭、いろいろな屋材として製材をしました。最近は、広葉樹がいちばん活用されているのが紙の材料です。このチップを作っています。伐採し地元でチップにして、北上の製紙会社に運んでいます。森の町内会で作っている森林認証の間伐材の紙は、八戸に運んで作っていますが、それで大変潤っています。ただ、今、山の木を伐採する技術を持った人がどんどん高齢化して少なくなってきており、これが大きな問題になっています。
伊達






