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ポスト3.11と森
被災地で「木」が育む希望の芽
事例レポート02 緊急から恒久へ、再生可能エネルギー利用

ポスト3.11と森

ポスト3.11と森:被災地で「木」が育む希望の芽

事例レポート02 緊急から恒久へ、再生可能エネルギー利用

写真協力:①③④つながり・ぬくもりプロジェクト/②⑤特定非営利活動法人 吉里吉里国

事例レポート02 緊急から恒久へ、再生可能エネルギー利用

避難所で仮設住宅で、太陽光発電と熱利用

震災によってインフラが破壊され、電力供給が途絶えた被災地に自然エネルギーを届けようと、多くの緊急支援が行われました。その一つ、「東日本大震災つながり・ぬくもりプロジェクト」は、震災直後にさまざまな民間団体が集まって結成され、現地の行政や住民との協力のもと、太陽光発電、太陽熱温水器、木質バイオマスの熱利用を支援しています。

まず、太陽光発電では、震災後の4月に陸前高田市、南三陸町の避難所に太陽光パネルを設置したのを皮切りに、東松島市、気仙沼市、大船渡市、石巻市など約150か所に展開。これらのソーラーパネルは、1台につき400または200ワット、主に照明や携帯電話の充電、ラジオ等の電力供給に使われました。その後は、仮設住宅での利用をはじめ、暗い道に太陽光蓄電式街路灯を取り付ける、石巻市では井戸くみ上げポンプの電源としてソーラーパネルを設置する、港の灯りとして岩の上にソーラー街灯をたてるなど、緊急支援にとどまらず長く使えるかたちで利用されています。

2011年11月18日 岩手県石巻市尾崎地区 海の中の岩場の上に、太陽光パネルと街灯が、しっかりと設置されています。(写真協力:つながり・ぬくもりプロジェクト)

2011年11月18日 岩手県石巻市尾崎地区
海の中の岩場の上に、太陽光パネルと街灯が、しっかりと設置されています。
(写真協力:つながり・ぬくもりプロジェクト)

一方、太陽の「熱」を利用してタンクに貯めた水をあたためる太陽熱温水器は、避難所や住宅のお風呂、洗濯、食器洗い用にお湯を供給する目的で、名取市、石巻市、気仙沼市、東松島市など約40か所に設置されました。また、住田町に110戸ある木造仮設住宅の屋根にも太陽熱温水器が設置され、実際に利用している住民の方によると「夏は60度以上、冬は30〜45度ぐらいのお湯ができる。お風呂は、この温水器からお湯を入れてさらにプロパンガスで加熱して入る。以前に比べ、ガス代が6割ぐらいに減った」とのこと。

仮設住宅の必要がなくなった場合にはリユースが可能。各種施設の給湯設備として、また、農業においてはハウスの暖房や土壌殺菌、畜産業では家畜の糞の発酵促進など、転用の可能性は幅広いようです。2012年2月現在、山元町のイチゴ農家でハウス栽培に太陽熱集熱器を利用する実験が行われています。

2011年10月31日 岩手県住田町 110戸ある木造仮設住宅の屋根に設置された太陽熱温水器(写真協力:つながり・ぬくもりプロジェクト)

2011年10月31日 岩手県住田町
110戸ある木造仮設住宅の屋根に設置された太陽熱温水器
(写真協力:つながり・ぬくもりプロジェクト)

お風呂から復活の薪へ、吉里吉里の木質バイオマス

薪ボイラーを使った入浴施設「薪の湯」(写真協力:特定非営利活動法人 吉里吉里国)

廃材を30cmほどにカットし、薪として活用(写真協力:特定非営利活動法人 吉里吉里国)

岩手県大槌町の吉里吉里地区では、震災後の3月末から4月に多数の団体が支援を開始。避難所の小学校(後に廃校になった中学校に移設)に薪ボイラー2台が設置され、廃材となるがれきを燃料とした仮設風呂では、3週間ぶりの入浴が可能となりました。

燃料の廃材は、それまで住宅のはりや柱として使ってきたスギやアカマツ。津波で海水を被ったものの芯までは浸透せず、良く燃える。そこに注目した吉里吉里の人々は、これらの木材を30cmほどにカットし、「復活の薪」というブランドで販売。漁業が壊滅状態にあり、雇用も困難な中、薪づくりが貴重な現金収入となりました。

そして、がれきの撤去とともに、復活の薪は地域事業へと発展しました。未整備だった裏山の人工林に入り、間伐作業の中で発生する曲がった木材や細い木等を薪に加工・販売することで被災者の自立・雇用を確保。さらに、薪文化の復活・普及、持続可能なライフスタイルの確立を目指して、NPO法人と住民が一体となり活動を進めています。

「住田型」ペレットストーブ

被災地での木質バイオマス利用としては、ペレットストーブも各地の避難所や集会所などに数多く導入されています。住田町では、以前から地元の廃材などを活用して木質ペレットを生産。事業所、公共施設などにペレットストーブを設置するほか、ペレットボイラーを熱源として保育園の床暖房や温浴施設のお風呂に利用していました。 震災後は、仮設住宅へのペレットストーブ普及を進め、従来よりも小型(設置面積40cm四方)で調理もできる「住田型」をメーカーに依頼して開発。1台で10坪ほどを暖房できるといいます。

被災地に見る、分散型エネルギーのモデル

被災地の製造工場などで、木質系がれきを発電に利用する動きも活発です。林野庁は、被災地の木質バイオマス発電施設や熱供給施設の整備費の2分の1を援助。大量に生じている木質系がれきを有効利用するとともに、処理後は未利用の間伐材をあてることで林業活性化と雇用確保につなげるとして、関連費用94億7300万円を予算に盛り込んでいます。また、気仙沼では、石油会社が木質バイオマスエネルギー事業を立ち上げました。木質バイオマスガス化システムで発生させたガスでタービンを回すことで電気を精製し、販売。大量に電力を消費する水産加工団体に安定的で持続可能な電力を供給するなど、地域内でのエネルギー自給を目指しています。

もう一つ注目すべきは、小水力発電の動向です。釜石市では、復興モデル事業の一つとして、小水力発電で充電する電動アシスト自転車を導入。被災した高齢者に利用してもらうなど、新たな公共交通の構築を計画しています。また、岩手県では、田周辺の用水路を利用した小水力発電の可能性調査を進め、福島県でも農業用ダムによる小水力発電の調査を行う予定。政府は、小水力発電設備を設置する際の申請手続きを簡素化することで、普及を後押ししようとしています。

参考:岩手県八幡平市 明治百年記念公園小水力発電所 (八幡平市のホームページより転載)

参考:岩手県八幡平市 明治百年記念公園小水力発電所(八幡平市のホームページより転載)

このような被災地における地域の自然資源を活かした再生可能エネルギーの利用、地域内でのエネルギー自給への動きは、今後のエネルギーシフトへの一つのモデルとしてみることができます。

 

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