ニュース&トピックス

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森から木を伐り出し、木材として利用するまでに必ず必要な工程として「乾燥」があります。伐った山に放置して乾かす「葉枯らし」などの天然乾燥は、木への負担が少なく品質の良い木材になりますが、3~4ヶ月もの時間がかかります。一方、高温蒸気で乾かす人工乾燥は短期間ですむものの、特に含水率の高いスギは、変色や反り曲がりなどが生じやすく、また、石油燃料を大量に使うため環境負荷が高いという問題点も指摘されていました。

そんな中、日本の人工林の多くを占めるスギを良材に仕上げるべく、乾燥温度にこだわって開発されたのが、木材乾燥装置「愛工房」(東京板橋区)。40~45℃という低温で乾かすことにより、変色や反り曲がりのない良質の木材ができるのが特長です。開発者の伊藤好則さんは、6、7年前から様々な乾燥温度を試し、最終的に「同じ生き物として、人間が気持ち良いと思う温度なら木にも良いはず」と、40~45℃に行き着いたと言います。

低温で乾燥させることにより芯から乾いていき、必要な油分は残しながら水分が抜けるため、木の長所を損なわず、美しい色艶に仕上がる。乾燥が難しいとされるスギも約1日で含水率7~8%まで乾かすことができ、スギが本来持っている抗菌などの有効成分が温度により損なわれない。そして、低温なので石油燃料を多量に使う必要もない、画期的な乾燥装置とされています。

外側はスギ、内側はヒノキ、床はマツで造られた乾燥装置には、木と一緒に人も入ることができ、「サウナのような感覚で何度も入って頂いて、よく眠れるようになったり、元気になった方がたくさんいらっしゃいます。野菜も低温乾燥で美味しくなるんですよ」と伊藤さん。また、香りが優しく、床や壁材に使うと森林浴のように心地良いと評判です。

この11月には、油脂分豊富で芳香の強い「香杉」が、愛工房で生産開始。しっとりしたやわらかい踏み心地と温かさをもった新しいフローリング材として、期待がかかります。

左:木材乾燥装置「愛工房」で乾燥させたミントの葉
右:「愛工房」の伊藤好則さん