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森の学校へ行こう!:岐阜県立森林文化アカデミー

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森の学校へ行こう

岐阜県立森林文化アカデミー

岐阜県・美濃市。里山から森へ続く道を進むと、かつての谷戸田を彷彿とさせるキャンパスと背後に奥深く広がる演習林が見えて来ます。ここは、岐阜県立森林文化アカデミー。ユニークなカリキュラムと実践的な取り組み、オリジナリティ溢れる卒業生たちの活躍でも注目されている、森と木に関わるスペシャリストを養成する専門学校です。私の森.jp編集部は以前からこの学校に注目しており、2016年9月に訪問・取材が実現しました。

1.森に暮らし、森を学ぶ、2年間

前身は、1971年に開校した岐阜県林業短期大学校。600人を超える林業技術者を育成した30年の成果を踏まえつつ、より幅広い人材を求める時代の変化に応えて、2001年、全国初の森林教育・学習機関として岐阜県立森林文化アカデミーは開学しました。「森林と人との共生」を基本理念に、少人数による個別指導、既存の枠組みにとらわれない自由で実践的なカリキュラム、地域の課題解決を主眼とした研究と教育をめざしています。

岐阜県立森林文化アカデミーは2年制の専門学校で、2つの学科から構成されています。高校卒業程度の人を対象とする「森と木のエンジニア科(以下、エンジニア科)」は、林業や木材加工の現場で働く技術者を育成。大学卒業程度または実務経験を持つ人を対象とする「森と木のクリエーター科(以下、クリエーター科)」には、森林経営・環境教育の専門家を目指す森林利活用分野と、木造建築・木工の専門家を目指す木材利用分野があります。

学科の説明図

実際にどんな人が学んでいるのか。取材によると、2016年9月現在の学生数は約80名。毎年、エンジニア科、クリエーター科それぞれ20名ずつの新入生枠があります。エンジニア科は、高校の林業科を卒業した人が入学する場合が多く、男女別では、エンジニア科は女子が多くて5人程度、クリエーター科は半分近くが女子。地域で見ると、エンジニア科はほとんどが県内、クリエーター科は県外からの人が多いとの事。実際にお会いした学生さんの中では、それまでの仕事を辞め退路を断ってクリエーター科に入学したという方が多く、前職は一般企業や団体、営林署、建築士などさまざま。東京や首都圏、北海道と、全国各地からこの学校を目指して来県し、市内の古民家やアパートに暮らしながら学校に通っているといいます。

キャンパスは、もともと谷戸田だった地形を利用してつくられ、自然のままを最大限に活かした設計。ある教員の方が「歩いてまわれる距離の中で資源を無駄にしない循環=つながりがある」と言うように、キャンパスというよりもヴィレッジといった雰囲気が漂います。また、「学内に演習林があるのは日本でここだけ」という恵まれた環境。森にどっぷり浸かった2年間を過ごす学生たちは、何をどんな風に学ぶのでしょうか。

ウッド・ラボ(木材棟)

ウッド・ラボ(木材棟)

森の工房

森の工房

 
メディア棟(情報棟)、フォレスト・ラボ(森林棟)

メディア棟(情報棟)、フォレスト・ラボ(森林棟)

木材開放試験室

学生が自由に使える木材開放試験室

 

2.「自力」で学ぶ授業、「教えない」教員

「自然も子どもも予測ができない。だから、自分の肌で感じられる反応を大切にしながら、自分自身と社会の課題を解決する場となる」。これは、取材時に、森のプレーパークという授業で廃材を利用した遊具を製作中だった萩原・ナバ・裕作先生の言葉です。こうした近隣の子どもたちや親が自由に参加できる森のプレーパークや演習林を使った森のようちえん、キャンプをはじめ、岐阜県立森林文化アカデミーには多種多様の画期的なカリキュラムが用意されています。

プレーパークで遊具を作る子どもたち

森のプレーパーク、この日は「つくりたい遊具を自由につくる」

萩原・ナバ・裕作先生

「もともと森の中に居たヒト本来の力を引き出したい」と、口出ししない・教えないを貫く、学生に人気の萩原・ナバ・裕作先生

 

学内にある33haの演習林では、まず60種類の樹種同定にはじまり、造林から伐採搬出までの技術習得はもちろん、自然を五感で感じたり、森のことを伝えたり、森と人をつなぐためのスキルなどを幅広く学ぶことができます。

学内にある33haの演習林

「学内に演習林があるのは日本でここだけ」という恵まれた環境

杉本和也先生

学内をガイドしてくださった杉本和也先生は、林業の生産システム構築や伐採搬出実習などを担当。中小企業診断士の資格も

嵯峨創平先生

今回の取材のきっかけをつくっていただいた嵯峨創平先生は、里山をクリエイティブに保全活用するさまざまな取り組みでも活躍

 

エンジニア科では、森林の将来像をイメージしながらの造林・育林、安全で経済性の高い伐採・搬出、地域の木材を活かす製材・加工などを学び、現場で自ら行動できる技術者をめざします。
一方、クリエーター科・森林利活用分野では、造林から伐採搬出まで林業に関する一連の体験や高性能林業機械を使った実習や、森を五感でとらえる感覚を養ったり、森と人をつなぐための「場づくり」の技術を学んだりもします。前述の森のプレーパークや森のようちえんもここに含まれます。また、伐り出した材は学内で製材・加工して建築や木工に使います。

演習林での「林業架線実習」の様子

演習林での「林業架線実習」初日

クリエーター科・木材利用分野で、編集部が最も注目したのは、「自力建設プロジェクト」です。4月に入学したばかりの1年生が、5月にはコンペに参加。学内のどこかに建てる小さな建物を自分たちで設計し、専門家の助けも借りながら演習林から伐り出した材を加工し、限られた予算の中で1年がかりで建設するというもの。トライ&エラーの中で多くのことを身につけて行くという教育システムです。開学から続いているこの自力建設プロジェクトは、今年、「ウッドデザイン賞2016」を受賞しました。
キャンパスには、「森の中の四寸傘」と名付けられた演習林内の避難所、「森のインターチェンジ」、山小屋、天然乾燥のための「活木処」など、過去の自力建設の作品が多数あり、独創的で温かみのある力強い存在感に魅了されます。

森の中の四寸傘

森の中の四寸傘(第一回木の建築賞 受賞)

SOMA’s Hut ソマズハット

SOMA’s Hut ソマズハット

森のインターチェンジ

森のインターチェンジ

 

今年の自力建設に参加した学生の一人は、「今回の設計は、水平や垂直が一つもないという大変難しい建築物。白川で合宿をしたが、建築科出身の人が徹夜作業をしてもなかなか図面が出来上がらなかった。自分は白川の大工さんにノミ研ぎから教えてもらえて貴重な体験ができた」と話してくれました。その自力建設は「Oasis」と名付けられ、10月1日に上棟式を迎えました。

「Oasis」の上棟式の様子

「Oasis」の上棟式の様子

その他にも、外部から専門家を講師に招いたワークショップや交流の中で学ぶ「里山ビジネスカフェ」、山里に入っての「聞き書き」、山里現場の施業技術から世界の先進林業まで学べる産学官連携コンソーシアム、ドイツ・ロッテンブルグ林業単科大学との連携による短期留学やシンポジウム開催など、他ではなかなか体験できない授業や活動が目白押し。
さらに、「教えないのが指導方針」、「製材機が恋人」など、カリキュラムのユニークさにも勝る個性の教員陣がそれぞれに熱血指導を行っているのも、特筆すべき魅力と言えます。

久津輪雅先生

イギリスで家具職人の経験もある久津輪雅先生は、グリーンウッドワーク(生木の木工)と伝統工芸の継承に力を注ぐ。

木工教室

道具の使い方から学ぶ木工教室

 
有道杓子づくりワークショップの様子

有道杓子づくりの若手継承者を招いたワークショップ

10代から70代(?)までと年齢も職業経験も幅広く、それぞれ異なる価値観をもった学生たちが互いに刺激を受けつつ学び合う。そして、専攻や立場を超えて、学生も教員も「人と人」として向き合い、助け合いながらさまざまな課題を解決していく。そんなアカデミーの日常を垣間見た編集部スタッフは、ここには理想的な学びの形がある、望ましいコミュニティがあると、何度も感嘆の言葉を口にしました。「自分も入学したい!」「日本の義務教育にしたい!」との声まで……。

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