森とかかわる生活をリアルに思い描くためのヒントがいっぱい!
ハイキングやキャンプ、バードウォッチングなどで森に足を運ぶうちに、すっかり森の魅力にはまってしまって「こういうところで暮らすのってどんな感じだろうなあ」なんて想像をめぐらせたことのある人、きっとたくさんいるはず。この本にはそんな想像をしっかりふくらませてくれる情報がいっぱい載っている。
「第1章 森にくらす」では、山里の林業家のくらしを雪解けで山菜の宝庫となる春から四季を追ってじっくり描き出す。「第2章 森ではたらき森を守る」では、森にかかわる仕事がたくさん紹介される。森林組合、樹木医、森林インストラクター、レンジャーなど、未来の仕事が見つかる人もいるかも知れない。「第3章 林業と森の大切さを伝える」を読めば、森にくらさなくても森の魅力を家族や仲のいい友だちと分かち合う方法がいっぱいあることもわかる。
小学校中学年以上を対象にしているこのシリーズは、一見親しみやすい絵本の形をとっているけれど、中身もつくりもとてもていねいで情報も豊富だ。巻末近く、山里ぐらしをする栗田さんの「“豊かさ”って、なにも考えずにすんでしまう便利さではなく、自然をいかし、工夫しようとする創造する力だと思います。」というメッセージには深く共感(p41)。「なんだ絵本じゃないか」などと言わずぜひ手に取ってほしい。
(編集部:たかしな)