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森学ベーシック:2.日本人と森:里山の暮らし

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森学ベーシック:2 日本人と森:里山の暮らし

里山とは

里山と聞くと、広がる田畑の中に集落があり、小川が流れ、その向こうに里人が木を伐りに行く雑木林がある……そんな日本人の心のふるさとのような風景が思い浮かぶのではないでしょうか。里山にはさまざまな定義がありますが、一例として、環境省では里山を里地里山と呼び「里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域」と定義しています

 

地理的には、人があまり立ち入らない「奥山」と都市との間に里山があります。里山は、 農業や林業などさまざまな人間の働きかけを通じて、その環境が形成・維持されてきた地域。里山の雑木林は、本来、薪や炭を生産するために利用されたことから薪炭林とも呼ばれ、生態学的には、人間の活動によって原生林が改変されて形成された二次林です。

奥山・里山・里地の概念図

里山は、さまざまな生物の生息・生育環境として、また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な地域とされています。

里山を活用した暮らし

日本では、はるか昔から、里の人々は里山から薪・炭などのエネルギーや、建材などの材料、木の実やキノコなどの食料を手に入れると同時に、多様な生き物との共生を続けてきました。古くは縄文時代から、人々は森でドングリを採取し、あく抜きを行って食料にし、火を燃やすために木を伐採。一部では、栽培種のクリやウルシを植えて利用していたようです。


(※1)縄文時代の遺跡からしばしば見つかる、ドングリがぎっしり詰まった穴、ドングリ・ピット。貯蔵したとも、あく抜きのために埋めたとも言われる。写真は掘り出す前のもので、表面に見えるつぶつぶがドングリです。

 

例えば、かつて日本の里山に多かったアカマツは、主に家屋などの建材に利用され、枝や足元に生える低木は燃料になり、その灰は田畑の作物の肥料に。また、アカマツ林で獲れるマツタケも里山の大きな恵みでした。クヌギやナラなどの落葉樹は10年から20年ごとに根を残して伐採し、薪や木炭に利用。落ち葉は掻き集めて堆肥にしました。春先にはカタクリの花が咲き、その根から片栗粉をつくる地域もありました。ドングリやクリ、トチノミなど様々な木の実やキノコ、山菜、野草は自家消費の食料となり、中にはマツタケのように現金収入になるものもありました。


(※2)今も現役の炭焼き小屋が日本全国にたくさんあります。写真は南長野の炭焼き小屋。平成15年に作られたものですが、地域住民の手で作られたとあって、風情があります。

 

このように人々は里山を暮らしに無駄なく活用し、自然資源による生活を成り立たせるために、柴刈りや落ち葉掻き、定期的な伐採などの手入れを行いました。それによって、すこやかな雑木林が育成・維持されて来たのです。

こうした里山の多くは、明治以前は「入会地」として村落共同体によって共有され、自然資源を無償で利用できるのは村の住人に限られていました。例えば、草を刈り取って良い時期や家ごとの割り当て量までが決められているなど、里山の利用規則が「村掟」として定められ、厳重に管理することで植生崩壊を防いでいました。が、明治維新後は地租改正によって、入会地であった里山の数多くが官有地または個人所有となり、その姿を変えていったのです。

植生遷移の方向と里山
田んぼや草地、雑木林などの植生をただ自然任せに遷移させずに 人間と共生しやすい状態に維持する知恵が里山にありました。

そして、第二次大戦戦後、エネルギー源と農業形態が変化。煮炊きや暖房に利用していた薪や炭は石油など化石燃料に、落ち葉などの堆肥は化学肥料に置き換わり、人々にとっての利用価値が失われ、宅地化されて消滅した里山も少なくありません。残された里山でも、自然資源の循環が行われず、生物多様性の面からも劣化が懸念されています。

見直される、里山に生きる知恵

人の働きかけによる自然資源の循環が減少した里山。その自然の荒廃や、地域コミュニティの弱体化、里山特有の動植物の衰退などから、近年、里山再生・保全のための活動が全国的に展開されるようになりました。自然資源、生物多様性、景観、文化、教育等さまざまな観点から里山の重要性が見直され、未来へ引き継ごうという取り組みが農家をはじめとした地域の人々や市民団体、NPOなどによって進められています。
 
国も、「人間の福利と生物多様性の両方を高める里山的な土地利用システムが秘めた可能性を認識し、土地と自然資源を最適に利用・管理することを通じて、人間と自然環境の持続可能な関係を再構築しようとする試み」として、「SATOYAMAイニシアティブ」を推進。2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で正式提案する予定です。

 

国内外で高い評価を受けたNHKの傑作ドキュメンタリー番組「映像詩・里山」シリーズの劇場版:予告編(2008年公開)

日本の人々の暮らしを長年にわたり支え続けて来た里山。人間が自然の一部分として自然と共に生き、自然資源を利用しながら暮らす知恵が、いま世界で見直され始めてています。

写真協力

(※1)左:どんぐりピット てふてふひらひらどこへ行く
(※2)左:炭焼き小屋 美里町の探検日記
(※2)右:炭 Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Tianyake

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