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森学ベーシック:5.森と産業:森のエネルギー、木質バイオマス

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森学ベーシック:5.森と産業:森のエネルギー、木質バイオマス

木材のエネルギー利用が再燃

かつての日本では、木炭や薪が日常的に用いられていましたが、高度経済成長とともに化石燃料が主力となり、木材は主要なエネルギー源ではなくなりました。しかし、森林から伐採した木材をエネルギー源として化石燃料の代わりに利用すれば、二酸化炭素の排出を抑え、温暖化防止につながります。また、未利用間伐材などを燃料として使用することにより、持続可能な森林の整備にも役立ちます。

チップボイラー(右奥)と燃料となる工場残材

チップボイラー(右奥)と燃料となる工場残材

こうしたことから、近年は木材など木質バイオマスのエネルギー利用が復権。「森林・林業基本計画(2011)」では、2020年における燃料用等のパルプ・チップ用材の需要を600万㎥と見込み、今後、木質バイオマスのエネルギー利用をさらに推進するとしています。

また、復興庁による「東日本大震災からの復興の基本方針」にも、木質バイオマスを中心とするエネルギー供給体制の構築等に取り組むとあり、被災地の復興を機に木質バイオマス利用に拍車がかかっています。さらに、木質バイオマスは2012年7月から施行される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の買取対象でもあり、太陽光、風力、地熱、小水力などと並ぶ自然エネルギーとして利用拡大が期待されています。

効率の高い「熱」利用

木質バイオマスエネルギーの変換効率

平成23年度 森林・林業白書を元に作成

木質バイオマスのエネルギー利用には、主にボイラー等での「熱」利用と電力をつくる「発電」、その両方を利用する「熱電併給(コージェネレーション)」があります。エネルギー変換効率は、熱利用で75%、熱電併給75%、一方発電のみでは25%とされ、発電利用においても燃焼によって発生する熱を有効に活用することが重要です。

熱利用としては、チップボイラー、木質ペレットによるペレットストーブ、小規模のペレットボイラー、薪ボイラー、薪ストーブ、熱電併給のコジェネレーションなど様々な形態があります。

ヨーロッパ諸国では、「地域熱供給」に木質バイオマスが多用されています。オーストリアでは全世帯の約2割が地域熱供給を利用し、国内1,550か所の地域熱供給プラントで、残廃材をチップに破砕して燃焼し、各世帯に配管されたパイプを通じて蒸気や温水を供給。スウェーデンでも、木質バイオマス燃料による地域暖房システムが急速に普及しています。

一方、日本でも、熱利用の取り組みは各地で進んでいます。例えば、積極的な取り組みで注目されている岡山県真庭市「バイオマスタウン構想」を公表している、全国318(2011年4月末現在)の自治体の一つでもあります。真庭市では、市内全エネルギー利用の内11.3%を木質バイオマスで自給。各種施設の冷暖房、ビニールハウスの加温、温泉やプールの加温を行う温水ボイラー、木材を乾燥する蒸気ボイラー、家庭や事務所でのペレットストーブなど、市内各所で様々な用途に使われています。燃料は主に地域の未利用木材。林地残材や製材所で発生する樹皮を利活用することを目的として、平成20年度にはバイオマス集積基地が建設されています。 同市はこれらの取り組みにより、原油約15,000KL相当(250Lのドラム缶6万本分)、年間約40,000tのCO2削減効果があるといいます。

真庭市では、プールの温水や床暖房、ビニールハウスの加温などを木質ペレットを燃料とするボイラーで、まかなっている。中央:真庭バイオマス集積基地

真庭市では、プールの温水や床暖房、ビニールハウスの加温などを木質ペレットを燃料とするボイラーで、まかなっている。中央:真庭バイオマス集積基地(※1)見学ツアーはこちら

また、岩手県大槌町、住田町などをはじめ、被災地での木質バイオマス利用も進展しており、今後の利用拡大にさらなる期待がかかります。

ポスト3.11 > 被災地で「木」が育む希望の芽 > 事例レポート02

発電と、進む熱電併給

熱利用に続いては、木質材料を燃やし、タービンを回して電気を発生させる「木質バイオマス発電」、そして電力と熱の両方を有効に使う「熱電併給(コージェネレーション)」の例を見てみましょう。

木質バイオマスエネルギーの変換効率

最近の事例としては、2011年9月、オリックスグループの株式会社吾妻バイオパワーが群馬県吾妻郡東吾妻町で、木質バイオマス発電所の営業運転を開始しました。県内や近隣県の剪定枝・廃材などを破砕した木質チップを燃料として発電しています。発電規模は13,600kW、年間送電量は8,500 万kWhで、一般家庭約2万4千世帯分の年間電力使用量に相当します。
(右「吾妻木質バイオマス発電所」※2)

 

一方、秋田県能代市の「能代バイオマス発電所」は、地域ぐるみで建設されたものとしては全国初の本格的な木質バイオマス発電所とされています。秋田スギの間伐材や建築廃材、製材工場などからでる樹皮や端材などの木くずをボイラーで焼却し、発生する蒸気の圧力でタービンを回して、3000kw/時の発電を行っています。電力は隣接する工場や事務所で利用され、蒸気は隣接する木質ボード工場のプレス機や乾燥機の熱源として利用。コージェネレーション・システムで運営されています。

バイオマス発電所における「熱電併給」の例

また、日本製紙グループでは、間伐材のチップや林地残材、建築廃材などを工場内で無駄なく使用し、非化石燃料によるエネルギーが全使用エネルギーの44%。その内82.8%が木質バイオマス燃料といいます。これらの燃料をボイラーで燃やして発電し、同時に得られる蒸気を「紙」の乾燥に使用。ここでも、熱電併給が行われています。

さらに、木質バイオマスを加熱してガス化し、燃焼させたガスで発電を行う「ガス化」技術も高効率の発電を可能とするものとして期待されています。

主な燃料はチップ、木質ペレット

チップと木質ペレット ペレット生産量の推移

木質バイオマスエネルギーとして木を利用する際は、主に、木材を小片に切削・破砕した「チップ」や、おが粉等を圧縮成形した「木質ペレット」という形態で使われます。

チップの原料は、その発生形態によって「未利用間伐材等」、「工場残材」、「建設発生木材」の3つに分類されます。このうち、「工場残材」は自工場内で木材乾燥用ボイラーの燃料等に利用されることが多く、「建設発生木材」は木質バイオマス発電用の燃料として需要が高まっています。今後は、毎年約2,000万立方m発生している「未利用間伐等」の活用・利用拡大が、木質バイオマスエネルギー普及のために不可欠と言われています。

一方、木質ペレットは、エネルギー密度が高い、含水率が低く燃焼しやすい、取り扱いやすく運搬・貯蔵も容易などの利点から、ボイラーやストーブの導入が進み、国内生産量も増加傾向にあります。

 

新たな木質バイオマス燃料

大阪府をはじめ関西圏、首都圏、中京圏及び沖縄等でバイオエタノール混合ガソリンが供給されている。

大阪府をはじめ関西圏、首都圏、中京圏及び沖縄等でバイオエタノール混合ガソリンが供給されている。(※4)

チップやペレットなどに続く新たな木質バイオマス燃料として「バイオエタノール」が注目されています。バイオエタノールとは廃木材やサトウキビのかす、大麦やとうもろこしなどの植物原料からつくられたエタノールで、ガソリンの代替燃料として期待されています。

こうした中、2007年にはバイオエタノール3パーセント混合ガソリン(E3)の供給が大阪府で開始されるなど、実用化に向けた動きもみられます。

 

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、未利用の枝や葉、製紙用原料として利用できない残材、短期伐採した早生樹などの木質バイオマスからバイオエタノールを効率よく生産する技術を確立するために、広島県呉市の王子製紙株式会社呉工場内に国内最大級の試験用パイロットプラントを建設。2011年12月、実証試験を開始しました。

また、木質成分の熱分解による液化燃料(バイオオイル)やガス化燃料、チップや木質ペレットよりも熱効率の高い粉末燃料(木質パウダー)等の開発も進んでおり、木質バイオマスエネルギー利用の伸展につながることが期待されます。

バイオエタノール製造に関する試験用パイロットプラント(王子製紙呉工場内)

バイオエタノール製造に関する試験用パイロットプラント(王子製紙呉工場内)(※5)

写真協力

(※1)真庭の取り組み・ペレット バイオマスツアー真庭
(※2)吾妻木質バイオマス発電所 オリックスグループ:株式会社吾妻バイオパワー
(※3)ウッドチップ Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo
by Thorsten Schramm
(※4)混合ガソリンのスタンド 大阪府 > 自動車用バイオ燃料の普及
(※5)パイロットプラント 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

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