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森学ベーシック:3.森と生物多様性:生物多様性って何?

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森学ベーシック:3 森と生物多様性:生物多様性って何?

生物多様性は、いま国際的に注目されるキーワード

「国際生物多様性年」と定められた2010年。10月には名古屋で「COP10(生物多様性条約*第10回締約国会議)」が開催されるなど、いま国際的に「生物多様性」というキーワードが注目を集めています。生物多様性条約には3つの大きな目的があります。「生物の多様性の保全」、「その構成要素の持続可能な利用」、そして「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」。生物多様性が、利益の配分の話と結びついていることを意外に感じる人もいるかもしれません。生物多様性とはどういうものなのか、「森学」の視点からまとめてみましょう。

2010 International Year of Biodiversity

国際生物多様性年ロゴマーク

1.3つのレベルがある生物多様性

生物多様性と聞いてイメージしやすいのは、生物の「種」の多様性ですが、実はそれだけではありません。例えばイヌやイチョウはそれぞれ1つの生物種ですが、それぞれオスとメスがいて遺伝子を交換して子孫に伝えます。このような有性生殖は、多様な遺伝子を持つことによって、変化する環境に対応する強さを生み出し、「種」を継承していきます。

また「種」は、分化していろいろな生物を登場させ、その生物の組合せがいくつもの「生態系」をかたちづくります。多様な生物種が存在するためには、生態系も多様でなくてはなりません。このように生物多様性には「遺伝子」、「生物種」、「生態系」の3つのレベルがあります。生物多様性が失われつつあるということは、生物種だけでなくこの3つのレベル全てにおいて失われる可能性を考える必要があります。

生態系の多様性:森林、里地里山、河川、湿原、干潟、サンゴ礁等いろいろなタイプの自然があります。:森林、湿原種の多様性:動植物から最近などの微生物にいたるまで、いろいろな生きものがいます。:エゾシカとタンチョウヅル、アゲハチョウ遺伝子の多様性:同じ種でも異なる遺伝子を持つことにより、形や模様、生態などに多様な個性があります。:アサリ、ナミテントウ

2.森と生物多様性

森林は生物多様性の宝庫とも聖堂とも呼ばれています。森林は世界の植物の半数にとって、また、半数以上の昆虫にとっての故郷でもあります。私たち人間にとっても、暮らしのためのさまざまな資源を手に入れる場所であり、鎮守の森など祈りの場にもなり、時にはリクリエーションの場にもなります。さらに森林は、木材や水の供給源となり、洪水や土砂災害から守ってくれます。地球全体にとっては二酸化炭素の重要な吸収源であり、その恩恵は計り知れません。これらすべての生物多様性のもたらす「自然の恵み」が私たちの命をつないでいるのです。

3.なぜ国際社会が取り組むの?

地球の生物多様性を保全するには、その生態系がもたらしてくれる「自然の恵み」を提供(輸出)する国と、それを利用(輸入)する国とが協力して取り組む必要があります。例えば、外貨の獲得や雇用の創出を目的にして、高く売れる生物資源をたくさん輸出したい国と、それを欲しいだけ買ってしまう国があるとしたら、それは生物多様性の危機につながります。両国に一時的な経済的利益ありますが、人類にとっては再生不可能な損失になるかもしれません。こうした損失を防ぐには、さまざまな調査や持続可能な利用技術、効果的な法案の策定など、国際社会が知恵とお金を出し合い、地球全体で取り組んでいくことが重要なのです。

先進国の一員として日本人の私たちが考えなくてはならない事例もたくさんあります。

例えば、先進国の製薬会社が、途上国の熱帯雨林に生息する生物の遺伝資源を利用して新しい医薬品開発を行った場合、製薬会社は特許をとるなどして利益を上げることができますが、現在の経済のしくみでは、その遺伝資源が存在する途上国側には何の恩恵もありません。恩恵がないどころか、その土地固有の生物多様性が失われるのかもしれません。

先進国の利益のために開発途上国の森林が失われる、という例も、よく報道されてきたケースの1つです。1970〜90年代にボルネオ島(インドネシア、マレーシア、ブルネイ)の熱帯雨林の多くが失われてしまった理由の1つは、日本をはじめとする先進国に輸出する木材を乱伐したためだと言われています。

パーム油の工場建設のために伐採されたボルネオ・ミリ地区の森林。Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Wakx

また、極東ロシアの沿海州には、13万平方キロを超える森林が残っていますが、伐採や森林火災など人為的な原因で森の42%が影響を受けているそうです。ここでも日本は無関係ではありません。2004年、日本が極東地域から輸入した丸太材は588万立方メートルで、この年輸入した丸太材の全体の46%にのぼりました。

このように、生物多様性を巡る問題は、人類の近い未来に関わる問題であり、いままさに生じている先進国と開発途上国の間の問題でもあり、複雑でしかも切実な問題だということがわかります。「絶滅に瀕している動物を守ろう」というような漠然とした話のようにとらえられがちな「生物多様性」ですが、国際社会が協力して取り組むのはとても現実的な理由があるからなのです。

*生物多様性条約とは:1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国連会議(通称:地球サミット)で、気候変動枠組み条約と共にうまれたのが、生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)です。

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