あなたにも描ける、あなただけの木。
いつも通る道の街路樹や窓に映る庭木。公園でも森でもいいです、目に入る木をちょっと眺めてみてください。
どうでしょう、その木は絵に描けそうですか? 枝や葉っぱがたくさんあって、それらが互いに重なり合っていたりして、難しそうだなぁ、とか、時間がかかって大変そう、なんてて思いませんでしたか?
私は、小さな頃から絵を描く事が好きでしたが、夏休みの宿題で大きな森を描こうとして面倒くさくなり、途中で投げ出したことの後悔を、今でもよく覚えています。
この「木をかこう」の著者ブルーノ・ムナーリはイタリアの美術家で、そして著名なデザイナーでもありました。
彼が教える「木の描き方」はとてもシンプルです。
「2本にわかれる木をかいてみよう。
幹が、まず2本の枝にわかれ、その枝が、また、2本にわかれ、わかれるたびに、細くなる」
もしよかったら、ペンをとって、何かの裏紙にでも、あなたの木を描いてみてください。
ムナーリのやり方で描くあなたの木は、とても単純な規則の繰り返しで成り立っています。
その規則にならうと、どんな木でも描けてしまうので、すぐにいろいろな形の木を描きたくなります。
そして、大きな木や小さな木、SF映画に登場するような、見た事も無い不思議な形の木を描くうちに、つぎつぎと創造性の扉が開いていくような、そんな自由な感覚を楽しんで下さい。
創造性とは、ゼロから何かを生み出すものだと思っている人もいますが、そうではなくて本質的な規則を見いだすことに生まれるのだなぁと、改めて気付かされます。
いろいろ描いた後は、不思議なほど頭の中がすっきりするので、「考え過ぎ」で疲れてしまった大人の方にもおすすめです!
(編集部:アカイケ)