暮らしも森も社会も、みんなが幸せになる解決の仕組み。
有機野菜を育て、夏はグリーンカーテン、マイ箸やマイバッグは当然のこと、できるだけCO2を出さない……と、エコな暮らしを心がけていても、住む「家」となると簡単には手を出せないもの。住宅は人生最大の買い物。本当は無垢の木や天然の素材ばかりで建てた家に住みたいけれど、「資金がない」、「うちは賃貸だし」、「木造で地震や火事は大丈夫?」、「そもそもどうすれば実現できる?」など、直面する問題に解決の光が見えるのが、この本。
日本の森の木を使って300年の長寿命の住宅を建てる。徹底した安全素材で健康に良く心地よく、家全体がCO2排出を抑える構造に。そんな「天然住宅」を実現するために、この本の編者は、ただ理想の家を建てる事業だけでなく、森を守り再生する活動から天然住宅を建てたい人を資金面でサポートする非営利のバンクまで、トータルにきめ細かく解決する「仕組み」をつくった。その仕組みの全貌が明快に伝わってくるし、一つ一つの方法が読み切りサイズで書かれていてとてもわかりやすい。
一章読むごとに、住まいから持続可能な社会をつくるという理想が現実のものとして立ち上がってきます。家を建てたい人、エコな暮らしをしたい人、森を守りたい人、社会を変えたい人……さまざまな立場の方に読んでいただきたい一冊です。
(編集部:おおわだ)