ニュース&トピックス

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こんにちは、私の森.jp編集部です。

6年目となる2021年の「みんなの夏至祭」。昨年に続いてオンライン開催になってしまいましたが、参加されたみなさんにも、私たちにも、新しく様々な工夫が生まれて、とても豊かであたたかな時間となりました。

今年は、海外はフランス/ニース、イタリア、国内は札幌、秋田、金沢、富山、秩父、東京、千葉、岐阜、静岡、徳島・神山、高知・大豊からご参加いただき、
例年だったらご一緒できないみなさんとも、素晴らしい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

森を祝う「みんなの夏至祭」をきっかけに、森林や林業に関心を持ち、自然への関心と感謝を暮らしに飾って表現する習慣がひろがるといいなと願います。

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森を祝う「みんなの夏至祭」とは?

年に一度の夏至の季節に、中山間地域と街をつなぎ、森と森に関わる人びとへの感謝を伝える「お祭り」をしたい。都市化されてしまった私たちの五感を「森」へ向けて開放し、同じ想いのある人たちをつなぎたい、この想いが広がり、いつか日本中でお祝いされるようになって欲しい。そう願って毎年開催しているイベントです。

今年も、キホンは4つのことだけ。

  • 森から杉などヤマの植物を取り寄せて、室内を森のように飾る。
  • 森の「葉」を使った「夏至寿し(ごはん)」をいただく
  • ロウソクやソーラー・ランタンを灯す
  • そして、みんなで太陽と森を祝う

今年は、第一部も復活し、「夏至飾りのオンラインワークショップ」を行いました。
里山の植物を手に入れるのが難しい人のために、杉玉の高林さん(岐阜県下呂市)が、夏至飾り材料を試行錯誤しながら準備してくださり、今年は参加者のご自宅へお届けすることができました。夏至祭に参加できない方もオンラインで材料をお取り寄せ頂いたようで、とてもうれしく思います。

第二部では、森の気功や、朗読とダンスやクリスタルボウルのセッションなど、オンライン配信を工夫した新たなプログラムを交えて開催いたしました。コロナ禍で知らず窮屈な思いをしてきた私たちですが、オンラインでも森と対話しながら五感が刺激される特別な一夜を、皆さまと過ごすことができたように思います。

その模様を少し振り返りながら、お届けします。

第一部は、夏至飾りのオンラインワークショップ!

@東京は、私の森.jp編集部があるグラム・デザインのシェアスペース"モネリコ"にて、岐阜の「杉玉・酒林の高林」さんから送っていただいた、杉・檜・ヒカゲノカズラなどを使って、夏至の装飾がスタート。

リースワイヤーと結束バンドの使い方や、杉枝を繋げるコツをオンラインの画面でお見せしながら解説が進みます。途中、「天井のフックにワイヤーをどう引っ掛けるの?」「結束バンドの裏表って?」「どのくらいの長さでガーランドを作ってるの?」など、質問にもお応えし、それぞれのご自宅でも飾り付け作業に取り掛かっていただきました。

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材料が手元に無かった人の中には、近くの森に採りに行ってきますーという方、外出帰りに摘んだ草花を生け花にして飾り、それをzoomの背景にして下さった方、お庭の剪定枝を飾ってみせて下さった方など、葉っぱの絵を描いてくれた方など、それぞれの夏至飾りを共有しながら、楽しく創造的な時間を過ごしました。

森ラバー林業女子会@石川・金沢からは、毎年一緒に夏至祭を開催してきた砂山さんが「コロナ禍で会場を抑えることができないから、、」とそれでもご自宅から参加してくれ、

昨年からの夏至祭仲間、秩父の「里山アートピック~音楽と芸術と食の祭典」の坂本さんも、山からの紫陽花など様々な植物を室内にも飾って、現地の様子を生配信で伝えて下さいました! 

作業中には、高知県から参加していた鳥居由佳さんが、偶然にも訪れていた、高知県長岡の八坂神社境内にそびえ立つ「杉の大杉」(国の特別天然記念物)を中継して下さるというサプライズも!

第一部の終わり頃には、「天井から吊るなんて無理かと思ってたけど、レクチャーを聞いたら、私にも出来た!」という声や、「リアルな夏至祭会場で皆でやるのも良かったけど、自宅での楽しみ方も知れて、またやりたいと思った。」など、嬉しいご感想を頂きました!

いよいよ第二部! 自己紹介から森の気功へ。

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18:00を迎え、「みんなの夏至祭」第二部のスタート。第二部から参加した方々の自己紹介や、それぞれの夏至飾りと緑の背景のエピソードなど、いつもながら緑に助けられて、オープンで穏やかな時間を共有します。

和ハーブスタイリストの平川美鶴さんからは、和ハーブブレンドをご紹介頂きました。今年は、ハマナスの花弁と、ベニバナ、野に咲くスギナ、山からは当帰(トウキ)の葉っぱや茎、という4種の日本の植物のブレンドティーです。

和ハーブブレンド

「今年はこんなご時世だから、気分が上がるように」と華やかな色合いも嬉しい和のローズティ。 ハチミツや柑橘系を加えるという楽しみ方も教えて頂きました。

続いて、今年の新たな試み、鍼灸師の田辺千晶さんによる「森の氣功」体験。「天と地と自分」、そして森を感じながら、田辺さんの優しい声に導かれ、呼吸を深くし、体を意識し、手の中に気をまるめて動かし、体が整っていくのを、感じました。

「森の氣功」体験

室内に満ちる緑の香りに助けられて、深呼吸も気持ちが良い!、手が温まった!などのコメントがあり、短い時間ではありましたが、氣功の効果を体感することができました!

https://youtu.be/7l8AfOzWk2g

2つの朗読セッションの素晴らしさ!

そして、夏至の日暮れが近付いた頃、富山県在住の、花人で俳優の藤木卓さん × ダンサーで植木屋の峠佑樹さんが居らっしゃる会場「MINAMO」からオンラインに登場。テクニカル担当は上田伸也さんです。

例年と同じくテキストを選んでくださるのは、エクリの須山さん。エクリ編「樹と言葉」の中からインドの詩人・タゴールの詩が、お二人の朗読とダンスによって、壊され・再構築されて、素晴らしい即興芸術が生みだされていきました。それは旋律のない音楽でした。
外を走る車や路面電車の音、夕闇に溶けて沈んでいく街を切り取る窓。若き樹の叫びを表現する動き、声ならざる声が場に満ちて、モニタ越しに別の世界を覗いているような緊張感があり、最後の一瞬まで目を離すことができませんでした。

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https://youtu.be/lauH-Y9gRdY(YouTube)

近代インドの詩人ラビンドラナート・タゴール著『ボライ』の一節

やがて若芽は、すべての生物に先立って大木に成長し、
両手を合わすようにして、太陽にこう語りかけるのだった。
「私は存在しなくてはならないし、生きなければならないのだ。
私は孤独な永遠の旅人である。
日が照ろうが翳ろうが、昼だろうが夜だろうが、
次々に襲いかかる死をのりこえ、
無限の生命が開花する聖地に向かってひたすら巡礼を続ける旅人なのだ」

おもしろ森学 > 編集部の本棚 >『樹と言葉』編集/エクリ

余韻を楽しむ時間を取り....

2本目の朗読は、ストーリーテラー、職業・話し相手の高階經啓さんと、北海道の札幌からクリスタルボウル奏者の山本コヲジさんのセッションです。

こちらも須山さんのセレクトで、倉本聰さんの『古木巡礼』からの一節「桂のつぶやき」を。画面越しに桂の精がたち現れたような高階さんの見事な朗読、それをコヲジさんが丁寧に受け取って、かの時間と空間にいざなうように響かせるクリスタルボウル。抜けるような青い空が見えて、ああ、今年のこの瞬間を忘れないだろうと記憶しました。

2つのテキストを選んでくださった、須山さんからも、見事な解釈だった、最後はウルッとしてしまった、本当に素晴らしかったというコメントがありました。奥様の佐喜世さんからの、今日6月19日は偶然にも「朗読の日」なのですよというコメントにはびっくり!

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https://youtu.be/BHnWBMYuiEE(YouTube)

『古木巡礼』倉本聰 著(amazon) 

各地でも朴葉寿司や、キャンドル、ソーラーランタンが!

@東京でも、岐阜からお送り頂いた朴葉を使って、恒例の「朴葉寿司」を作りました。 今年は前日の夕方に仕込んで、朴葉の香りもしっかりと馴染んでとても美味しく頂きました!

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夏至飾りをお取り寄せした都内の方も、届いた大きな朴葉に包んだ特大の朴葉寿司を見せてくれました。金沢チームが教えてくれたのは、能登のおばあちゃん直伝の「きなこ」をまぶした朴葉寿司!こちらもとっても美味しいそうで、食べてみたくなりました。

日が落ちる頃には、キャンドルや、ソーラーランタンを灯したり。画面の向こうではじまる仄暗い時間、各地とつながる夏至の宴の余韻を、ゆっくりと味わいました。

終わりにあたっては、「普段何気なく過ごしている時間を、自分の感覚を研ぎ澄ましてオンラインから出てくる音や氣を感じて、自然の力を感じられました。」「日常の慌ただしさの中で、ほっとできる時間を頂戴しました。自分の呼吸が整っていくのが感じられました。」などの声や、「森の氣功が最初の方にあって、体も整う感じがあった」などの声があり、オンラインなりに、森からの恵みを体感し感謝する時間を共有できたように思います。

まだ不慣れなこともあるオンラインでの試み、その準備に尽力して下さった方々、また、温かな気持ちを持ち寄って参加してくださった方々のお陰で、本当に素晴らしい「森を祝う「みんなの夏至祭」」となりました。本当に本当にどうもありがとうございました!

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faceboookでも当日の様子を投稿しておりますので、こちらもどうぞ。
森を祝う「みんなの夏至祭」2021  facebookイベントページ

また、Facebookも運営しています。こちらも合わせてご覧ください。
森を祝う「みんなの夏至祭」facebookページ

※森を祝う「みんなの夏至祭」グループもあります!
https://www.facebook.com/groups/morigeshilovers/


最後に、今年の「みんなの夏至祭」の開催に向けて、多大なるご協力を頂いた方々をご紹介させていただきます。感謝の気持ちを込めて。

■藤木卓さん(MINAMO/ミナモ)

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自らを「花見をする人」を意味する「花人(はなひと)」とする華道家。富山市の「MINAMO」をベースに、東京でも活躍されています。初めてお会いした時は「花屋です」とおっしゃっていたけれど、時に舞台を演出をしたり、俳優をされたり。表現の幅が広いようでいて、しかし「ひとつの方向」に向かっていく真摯な姿が素敵なアーティストです。夏至祭が始まった時から、折に触れて、東京や石川会場などの装飾演出をしてくださっていますが、今年の朗読も本当に素晴らしい作品を見せて頂きました。

■峠 佑樹さん

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1998年より、舞踏をベースとした身体表現を始める。これまで音楽家とのセッション、美術家との共同制作などを多数行う。2021年7月・8月に複合表現ユニット「ムーンパレス・レジデンツ」にて、ビエンナーレTOYAMA2021に出演。ビッグバンド「渋さ知らズ」のメンバー。富山では植木屋としても活躍。

■高階經啓さん(話し相手、ストーリーテラー)

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長年広告のコピーライター・プランナーとして活動。並行して、オンラインで人からお題をいただき超短編創作をプレゼントするというSudden Fiction Projectを主宰し、演劇や映像のシナリオの執筆や演出も行い、朗読家としてライブも開催。八王子長沼の森にある「鎌田鳥山」でも朗読会を行う。2019年より、古くて新しい職業「話し相手」を開始。話すことでモヤが晴れる体験をお届けする頭と心のマッサージです。私の森.jp編集部員。

■山本コヲジさん(クリスタルボウル奏者)

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2005年悪性疾患の治療中、クリスタルボウルに出会い魅せられ、水晶楽器を奏で始める。主宰サロンや大学、幼稚園での体験型講義を通じて響きの可能性を探求。サントリーホール30周年記念事業フロンティア・プロジェクト選出作品|国内屈指のアンビエント音楽フェス Off-Tone等、イベントや舞台、瞑想会に多数出演。また、心身の流れをテーマにしたブランドFlowFlowの企画、商品開発を行う。1976年国分寺市に生まれ、現在札幌市在住。

■須山実さんご夫妻(エクリ)と木林文庫

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毎年夏至祭会場に一夜限りの本棚を選書・展示してくださる目黒の編集出版事務所エクリさん。予約制の施設図書館、「木林文庫」を開いています。

◎木林文庫について(ウェブサイトより)
長田弘さんの樹の詩とエッセイ、日高理恵子さんの樹の画で編まれた詩画集『空と樹と』がきっかけとなり、2010年に牧野富太郎植物園で開催された「樹と言葉展」に関わらせていただき、冊子『樹と言葉』を上梓しました。 この企画展には、エクリ所蔵の「木」の本を八十冊展示しました(「木」を分解すると「八」と「十」になる)。それ以降も「木」にまつわる書籍は増え続け、「木林(きりん)文庫」として、小さな図書室になりました。

このお写真は、今年の第一部に立ち寄って下さった時の一枚。その後、木林文庫に夏至飾りをして、第二部でも見せて下さいました!

■平川美鶴さん(和ハーブスタイリスト)

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一般社団法人和ハーブ協会理事。植物民俗研究家。

幼少からの植物好きが高じて、西洋ハーブやアロマテラピーなどの植物療養の世界に目覚める。一般社団法人和ハーブ協会の中心スタッフであり、協会理事として、講座・講演、和ハーブ地域振興プロジェクトに携わり、日本全国を飛び回る。「日本人と和ハーブ」の関係性を文化・薬効・産業利用などの様々な面から研究。自然の恵みを活かして暮らしてきたニッポンの先人たちの生活の知恵を、今の時代にどう活かすかを考え、伝えている。和ハーブ関連講演・講師活動・雑誌やWEB記事の連載、ラジオなどメディア出演多数。

◎夏至祭でご紹介した和ハーブティー

ハマナスの花弁をメインに、他3種(ベニバナ、スギナ、トウキ)の素材をブレンドした、甘い香りの和のローズティーです。はちみつや柑橘果汁を加えて飲むと、飲みやすくなります。
茶葉で淹れるときは、ティーポットにスプーン大さじ2で、一般的なティーカップ2~3名分、の分量イメージです。 

「和ハーブスタイル」にてそれぞれのティー素材をお取り寄せ頂けます。
https://www.waherbstyle.jp/product-list/3シングル和ハーブ素材もそれぞれ、心や体になじむ優しい飲み心地が魅力です。特に、"和のローズ"ハマナスだけでも甘みのある香りと味わいをお楽しみいただけます。

■熊崎惣太さん(杉玉の高林)

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毎回、夏至祭のために岐阜県下呂の森から香りの良いスギを提供してくださる「杉玉の高林」代表・熊崎惣太さん。今年はオンライン開催のために、夏至飾り材料のセットを作って下さり、各地の皆さまへ杉や檜の香りを届けることができました。

■田辺千晶さん(鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・ボディワーカー)

鍼灸治療やマッサージなどで心身の不調を改善する「ちあ鍼灸院」院長。体をつくること、体に意識を向けて、自分のくせや習慣に気づくことなど、治療を通して患者さんがほんとうの元気にたどり着くためのお手伝いをされています。


森を祝う「みんなの夏至祭」2021

2021年6月19日(土)

【第一部・夏至飾りのオンラインワークショップ】

15:00〜18:00

  • 参加者の自己紹介
  • 材料や道具のご紹介
  • 飾り付けスタート
  • 森からのライブ、秩父の中継、熊崎さんからのコメントなど

【第二部 夏至祭パーティ】

18:00〜21:00

  • 参加者の自己紹介と乾杯
  • 和ハーブティのご紹介
  • 各地の夏至飾りのご紹介
  • 森の氣功
  • 朗読×ダンス
  • 朗読×響きもの

来年こそ同じ空間で出来ることを期待していますが、オンラインならではの可能性や喜びも感じられたので、どんな形であれ、来年もまた集い、森への感謝や想いを共有する時間が過ごせることを願っています。

Facebook:森を祝う「みんなの夏至祭」
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