ニュース&トピックス

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9年目となった、森を祝う「みんなの夏至祭」2024。

5年ぶりに、リアル会場で開催することができ、第1部の夏至飾りのワークショップから、第2部の夏至祭パーティまで、たくさんの方のご協力をいただいて、皆さまと一緒にお祝いすることができました。

"夏至"という太陽と植物が力強く命を輝かせる特別な時節に、素晴らしい時間を一緒に過ごすことができ、大変嬉しく思っています。感謝の気持ちを込めて、ご報告します。

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森を祝う「みんなの夏至祭」とは?

年に一度の夏至の季節に、中山間地域と街をつなぎ、森と森に関わる人びとへの感謝を伝える「お祭り」をしたい。都市化されてしまった私たちの五感を「森」へ向けて開放し、同じ想いのある人たちをつなぎたい。そう願って毎年開催しているイベントです。

キホンは4つ。

  • 森から杉など多様な植物を取り寄せて、室内を森のように飾る
  • 森の「葉」を使った「夏至寿し」をいただく
  • ロウソクやソーラーランタンを灯す
  • そして、みんなで太陽と森を祝う

その他の内容は年によって様々です。9年目の今年は、夏至祭が始まった頃から繋がりのある方々と再会もでき、新たな場所で、参加された皆さまの、自然や地域への想いに満たされた素晴らしい「みんなの夏至祭」になりました。

第1部 夏至飾りのワークショップ

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会場に届いた、様々な里山の植物の清々しい香りやパワーを感じながら、みんなで夏至飾りをスタート。

石川のアテ(ヒノキアスナロ)、岐阜県下呂のスギ、シロモジ、イロハモミジ、ヒカゲノカズラなど、それぞれの感触を楽しみつつ、繋げたり、敷き詰めたり。

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花人として様々な活動をしているMINAMOの藤木卓さんが、即興で行う「夏至飾り」を、すぐ側で見学したりアシストさせてもらえるのは、とても楽しい時間で興奮しました...ここから"アート"がはじまります、と少し手を加えるとパッと景色が様変わりして"結界"となったり、最後に足もとに"水脈"が生まれる瞬間もワクワクしましたね。

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途中、杉の葉などをの植物を送ってくださった、岐阜の杉玉の高林の熊崎惣太さんが、オンラインで繋がってくださり、お子さまのかわいい声や岐阜の自然豊かな雰囲気を届けてくださったのも、嬉しかったです♪

テーブルには、様々な葉っぱが敷き詰められ、重ねる葉によって表情が変わり、新鮮な景色でした。葉っぱや実のアクセサリーづくりも、皆さんのアイデアが素晴らしくて、可愛い飾りがたくさん生まれていました。

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森を祝う「みんなの夏至祭」 geshisai2024-52.jpg 実と葉のアクセサリー

第二部のはじまり

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素敵な会場をご提供いただいた「スタジオ EASE」代表の福島澄夫さんの地域の問題や自然環境保全への想いをお聞かせいただき、この場に集った皆さまとの出会いに感謝しつつ、みんなでカンパ〜イ!

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夏至寿しと季節のお料理

「夏至寿し(朴葉寿司)」は、岐阜や長野などで6月によく食べられる郷土食で、会場に杉の葉や朴葉を送ってくださる、熊崎さんのお母さまのレシピを参考にして毎年作っています。
朴はモクレン科の樹木で、良い香りと抗菌作用があります。ごはんに朴葉の香りがほんのりとうつって、茗荷と山椒の芽と、それぞれの香りが重なって、とても美味しくできました!

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夏至にちなんだ食材や旬のお野菜も交えながら、東北の郷土料理である三五八漬けや、マーガオ(山胡椒)鶏団子など、彩り豊かでと〜っても美味しい7品をご用意くださったのは、地元目黒で人気の「コメディエンヌ」のみやもとゆりさん。

石川・金沢と能登のいま

続いては、2019年に「みんなの夏至祭」を同時開催してから、毎年、オンラインでも参加してくださっているもりラバー林業女子会@石川」の砂山亜紀子さんのお話し。コロナ期を経て、ようやく東京の会場へ来ていただくことができました!

自己紹介のあとにお話くださったのは、1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」のこと。発災当初、有益な情報を必死で探していた時期、デマや誤情報が錯綜していたこと。水道がなかなか復旧せず、会社の井戸水を提供した時の様子、運びやすい小さめのタンクが喜ばれたことなど。

森を祝う「みんなの夏至祭」  「もりラバー林業女子会@石川」の砂山亜紀子さん

また、雨や雪のなか、避難所から復旧現場へ通っている林業従事者の方々が着替えやお風呂さえもままならない状況を知って、クラウドファンディングを立ち上げ、継続して物資等を届けていること。そして、前の週に訪れた珠洲と輪島が、1月の発災時点とまったく変わらぬ様子であることなど、1つ1つ写真を見せていただきました。

砂山さんは、支援が届いているという実感を持てないという現地の声に、まずは、知って欲しい、実際に見て、訪れて何かを感じていただきたいと思いが強くなったそうです(ボランティアできなくても来訪可。)まだまだ支援が必要とのこと、砂山さんがおすすめする支援先はこちら。https://www.facebook.com/morigeshi/posts/1186824379398031

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石川から県の木でもある「アテ」も届けてくれました。右の写真の、能登のお酒の台になっている木と葉です。一般的には「ヒノキアスナロ」と呼ばれ、木材としては「能登ヒバ」として流通しています。
少し黄みを帯びた白色で光沢があり、耐水性・抗菌性があります。輪島塗りの木地や、お祭りの巨大な灯籠(キリコ)にも使われていて、能登の文化に密接に関わっている木だそうです。葉も美しく、夏至飾りでも大活躍でした。

一夜限りの「出張・木林文庫」

みんなの夏至祭の会場には欠かせない「出張・木林文庫」。編集社エクリの須山さ実さんが、今回は、「木と緑のコミック」をテーマに選んで下さいました。

"夏至祭"にぴったりな「週末、森で」をはじめ、萩尾望都さんの「山へ行く」の中の『柳の木』という短編など。『柳の木』は「一番好きなコミック」とのコメントに、終了まで棚の前から参加者が途絶えることがありませんでした。エクリのパートナーであり奥様の佐喜世さんが、毎年この日のために着られる素敵なモミの木柄のスカートにも、会場が湧きましたね♡

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須山さんたちの私設の図書室「木林文庫」は、古今東西の「木」にまつわる本が集められていてその佇まいが本当に素敵です。(インタビュー記事)

朗読とクリスタルボウルの響き

こちらも恒例のプログラム、私の森.jpの編集部員でもある高階 經啓さんと、山本コヲジさんのセッションです。数年はオンラインでしたが、ようやくお二人のリアルな共演が叶いました!

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今年の朗読は、清少納言の「枕草子」と紫式部の「源氏物語」。
清少納言のユーモアやセンスが感じられるような、高階さんの愛ある解説とともに、「春はあけぼの」より「夏」、「森は」、「あてなるもの」を聞かせていただきました。

続いて、「源氏物語」から、第九帖「葵」。ここは恋の話ではなく、夏向きの一節(少し怖い!)。葵の上の声が、六条御息所の生霊と交わるところでは、クリスタルボウルの不協和音とも響きあって、美しさと怖さが最高潮に。会場がぐっと引き込まれる場面でした。身体で直に感じる響きはやはり特別です。

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高階經啓さん(studio_o3)

オンライン&オープンマイクタイム

オンラインで参加してくだっさ小倉 美恵子さんは、ご自身の原体験である、川崎の土橋村でお祖母さまやお祖父さまと山で過ごした記憶、そしてその山が一晩にして切り崩された体験や気持ちを伝えたくて『オオカミの護符』という作品へ繋がったということなど、語ってくださいました。自然に生っている実を食べたり、草笛の感触のこと、自分の子供の頃のことを思い出された方も多かったのではないでしょうか。

森を祝う「みんなの夏至祭」

SNS上でも多くの反響があったインタビュー記事はこちら。小倉さんも、聞いてくれたのが私の森.jpだったから、あの時出た言葉があると仰っていただき、とても有り難く思いました。高度成長期、身の回りから自然が消えていった60年を経て、「東京還暦(首都圏還暦)」というタイミングを迎え、私たちはこれからどう暮らしていゆくべきなのか、考え続けていきたいと思っています。

昨年も好評だった「1人1植物TALK」のコーナーでは、日本では夏の風物詩であるお馴染みの「スイカ」について。
西瓜は熱帯アフリカ原産で、ツタンカーメンの王墓にもあったという、歴史の古い植物ですが、最近では、パレスチナへの連帯のシンボルとしても知られています。西瓜の断面はパレスチナの国旗の色(赤/黒/白/緑)と同じだということから、イスラエルによって国旗の掲揚が禁じられた際、パレスチナの人にとっての、自由の象徴や、抵抗のシンボルとして使われました。
参加者の中には、パレスチナへの攻撃に抗議するデモに参加したという方もいらっしゃったので、会場の片隅に、池田照手さん(菜園みどりの)から分けていただたステッカーなどを置きました。
照手さんがまとめてくれたこちらのメモ(PDF)もご参考ください。

1人1植物 パレスチナの「スイカ」とステッカー geshisai2024-31_2.jpg

そして、参加者の方々にも、ご自身の活動のことやパフォーマンスをご披露いただき、大変彩り豊かな時間となりました。

  • 和ハーブ協会の平川美鶴さん
    春から取り組んでいる伊吹山での薬草文化の継承の活動のこと
  • Q-GARDENの小島理恵さん
    オーガニックガーデンやガーデンキュレーターのこと
  • めぐもりの佐藤さん
    めぐろを盛り上げる地域住民の活動のこと
  • Erika Eguchiさん
    「音浴」のセッション
  • 遠山翔隼さん
    オリジナル曲の演奏
森を祝う「みんなの夏至祭」
森を祝う「みんなの夏至祭」

司会進行は、森を祝う「みんなの夏至祭」呼びかけ人代表/私の森.jp編集長の赤池円が務めさせていただきました。

最後は、夏至寿しや朴葉の話で盛り上がったり、杉や桧の話、そして、時間になり、惜しみつつも、みんなで「夏至飾り」を取り外して、香りを楽しみながら、それぞれ皆さんにお持ち帰りいただき、お開きとなりました。

森を祝う「みんなの夏至祭」


森を祝う「みんなの夏至祭」2024

日時:2024年 6月22日(土)

第一部 13:00~16:00(飾り付けワークショップ)
第二部 17:00〜20:00(夏至祭パーティ)

参加費:4,000円
※プログラム参加、1ドリンク+軽食、山の植物

会場:スタジオEASE

ご参加いただいた皆さま、本当に有難うございました。

次回は、いよいよ10周年。2025年は、「夏至」当日に開催予定です!
また季節が巡って皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。

主催:私の森.jp編集部/グラム・デザイン
共催:STUDIO EASE(スタジオ イーズ)


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