人の一生と、樹木の一生。
この本は、日本の山野に自生する、比較的目にしやすい樹木36種の「性格」とその「生き方」を解説する本です、と読んで「わ、面白そう」と思ったアナタは、きっと「森度」の高い人。期待を裏切りませんので、ぜひ読んでください。
ええ~?!「性格」だとか「生き方」だとか、人じゃないんだから、そこまで樹木に思い入れは持てないなぁ、なんて思ったアナタにも、ぜひ、この前書き(抜粋)を読んで欲しい。
「人間と同じ様に、樹木の一生にはいろいろなことがあります。台風も来れば、虫にも食われます。どこでライバルに出し抜かれるかもわからない。しかし、樹木はそれでも負けずに、子孫を残すために奮闘しています。厳しい環境やライバルたちに負けてしまえば、生き残ることはできません。だから子孫を繁栄させるための「生き残り戦略」もじつに多様です。(中略)本書で解説した樹木の中に、ひょっとしたら、自分と良く似ていて、共感を覚える樹があるかもしれません。」
続けて目次(抜粋)です。
アラカシ 逆境こそチャンス
ヤブツバキ 競わない生き方
ヤマザクラ もてなしの達人
トチノキ 倒産しない経営哲学
サワグルミ 団塊の世代
面白そうでしょう? なんだか、ベストセラーのビジネス書の様でもあります。
樹木の枝振りをみていると、人間の手足のようにも見え、今にも動き出しそう、と思うことがありませんか。でも本当は動いているんですよね。とてつもなくゆっくりだから、私たちの目には止まっている様に見えるけれど、長い一生を、一瞬一瞬を懸命に「生きて」いると思うと、とてもありがたい気持ちになります。
さて、題名のイタヤカエデはなぜ、、の答えが気になる方、ぜひご自身で読んで確かめて下さい。
ちなみに、私がスギやヒノキだったら花粉は控えめに撒くのになって思います。
(編集部:あかいけ)