「森あそび」知的障がいのある人のために・・・
執筆者:北海道立林業試験場 森林環境部 主任研究員 佐藤孝弘
監修:北海道立林業試験場
発行:社団法人 北海道森と緑の会
(販売終了)
ユニバーサルな森林利用を丁寧にガイド
知的障がいのある人たちにも森林とふれあって、ストレスを癒すなどの効用を享受してもらいたいとの想いから編集された手びき書。北海道立林業試験場が、平成16年度から取り組んできた「知的障がいのある人たちの森林活動に関する研究」の成果をまとめたそうです。
森を歩くことを基本とした基礎編から、ゲーム・創作・生活体験などの応用編、そして森林利用・森林と医療に関するQ&Aまで。これほど懇切丁寧にわかりやすく説明されたガイドブックがあれば、引率する人、指導する人にとってどんなに心強いでしょう!
たとえば、応用編の「火をおこそう」のページを見ると、「ねらい」から「準備するもの」「注意事項」が説明され、「活動のすすめ方」には、火おこし器の使い方や火のおこし方がイラストでワンステップずつ描かれています。そして、実際に障がい者施設の利用者さんとスタッフが体験したときの「実践例」、火がついたときの喜びの会話まで掲載されています。
読んでいたら、森へ遊びに行きたくなりました。森と人、その双方への理解と信頼が根底にあること、そして研究を重ねた豊かな実りを感じるコンテンツ。タイトルこそ「知的障がいのある人のために」となっていますが、すべての森で活動を行う人々におすすめしたいユニバーサルな一冊です。
(編集部:おおわだ)