大人にも響く!いのちのひろがり、生物多様性とは。
子供向けの月刊誌といえば「小学◯年生」か学研「科学と学習」のイメージしかなかったのですが、こんな本もあったんですね。生命誌研究者・中村桂子さんの近著が読みたいと思って探していたら見つけました。月刊科学絵本「たくさんのふしぎ」です。
著者が朝の台所にやってきたアリを追って、庭に出るシーンから始まるいのちをめぐる旅は、4回ページをめくれば38億年前へ。美しいイラストでたどる生命の歴史と壮大な景色の拡がりは、中村桂子さんらしい、どんな命もつながっていることへの敬意と愛情あふれる内容になっています。付録「大陸移動マトリョーシカ」も素晴らしい!
どれだけ科学が進んで、生命の神秘が明らかになっても、38億年前の景色を見た人はいません。永遠に辿り着けそうにない科学の片思いは何だかロマンチックで、ふと萩尾望都SF作品の読後感を思い出しました(わかる人だけ共感してください、すみません!)。
それから、巻末の「ふしぎ新聞」も必読です!読者とみみず学校の校腸(校長ではない)とのやりとりも、「発明品」の広告も、ふしぎ天使の四コマ漫画も、とってもイイです、ざわつきます。
『たくさんのふしぎ』は、1985年創刊、本号で361号とのこと。月刊誌ですぐ手に入らなくなるので、気になる方は定期購読がオススメです。
(編集部:あかいけ)