子ども目線でわくわく読み進めたい、森への招待状
生命力あふれる森の表紙絵を見たそばから、「この本はなに?」と、わくわく。
誘われるままページをめくると目次には、興味がむくむくと膨れるコンテンツがずらり。
章立ての横に、生態学者、博士、環境ジャーナリスト、詩人、写真家、イラストレーターなど、さまざまな分野のエキスパートの名前が並び、彼らが思いを一つにすることで作り上げられた、特別な本であることがわかります。
本書のコンセプトは、未来を生きていく子どもたちに、「森」の魅力を伝えること。
色々な角度から森に光を当てることで、子どもたちが森を知り、興味をもち、森とつながるきっかけが沢山散りばめられています(「おしえて」「どうして」が止まらなくなってしまうかも…)。
そして、そのひとつひとつの切り口が、とてもユニーク。
すこしだけご紹介すると、生き物たちの共存や食物連鎖について、一本の大きなケヤキをマンションに見立て、楽しいイラストと文章で紹介してくれたり(その名も「けやきマンションの住民たち」)。
見たことのない個性的でちょっと不気味な面々がページを賑やかす「山の妖怪・精霊ガイド」なんて、子どもたちが食い入るようにながめる姿が目に浮かびます。
「木の葉の原寸コレクション」では、色鮮やかに描かれた葉っぱたちの、互いに似ない愛らしい佇まいに、惚れ惚れ。
本の後半では、森林破壊の問題や、それに対する現在の世界での取り組み、小さく広がり始めている森林活動のアイデアなど、難しいけれど知らせておくべき大切な話も、わかりやすく紹介されています。
子どもたちはもちろん、大人の私たちにとっても、読み進めるうちに、「森」に通じるたくさんの扉が次々と開かれていくような一冊。素敵な森への招待状を、ぜひあなたの手で開いてみてください。
(編集部:うえだ)
<目次>
地球には森がある
1 森の惑星
地球と森~森があるから
緑のチカラ
森のなかの動的平衡
2 にぎやかな命
ともだち
大公開!けやきマンションの住民たち
木という生き方と森での背比べ
木の葉の原寸コレクション
土のかお
3 森のぐるぐる
森と命のぐるぐる
森を守り、海でカキを育てる人 畠山重篤さん
4 森のたんけん
森のススメ
まんが 「モーリーさん」①
5 ありがとう森
森のめぐみを大切に使う
木を育て、和紙をつくる人 ロギール・アウテンボーガルトさん
神様のいる森
山の妖怪・精霊ガイド
6 森が泣いている
森が消えた!
砂漠化、異常気象、温暖化 地球で異変が起きている
7 森と地球のためにできること
世界が動きはじめている
まんが 「モーリーさん」②
木を使い、森を守る 梼原町からのエコレポート
世界と日本のグッドアイデア
植える。伐る。育てる
森のめぐみを未来のつなぐ人たちへ
森をもっと理解するための重要ワード
著者紹介、参考文献・URL
*7章の「世界が動きはじめている」、「植える。伐る。育てる」の著者は、
「私の森.jp」ファウンディング・アドバイザーでもある枝廣淳子さんです。
*参考文献・URLで、「私の森.jp」をご紹介いただきました。