ニュース&トピックス

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こんにちは、私の森.jp編集部です。

今年は6月22日が夏至でした。

夏至は、昼の時間が一年で一番長くなる日。
つまり、太陽の力が一番強くなる日です。
だから、植物たちに一番力が宿る日でもあります。

そんな一年に一度だけ巡ってくる特別な時節に『森を祝う「みんなの夏至祭」』を開催するようになって、今年2019年で4年目となりました。
今回も共催の5×緑のみなさんをはじめ、たくさんの方のご協力をいただいて、心の通う夏至祭を開催することができました。
感謝の気持ちを込めて、ご報告します。


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森を祝う「みんなの夏至祭」って、何?

年に一度の夏至の季節に、中山間地域と街をつなぎ、森と森に関わる人びとへの感謝を伝える「お祭り」をしたい。都市化されてしまった私たちの五感を「森」へ向けて開放し、同じ想いのある人たちをつなぎたい、この想いが広がり、いつか日本中でお祝いされるようになって欲しい。そう願って毎年開催しているイベントです。

今年も、キホンは4つのことだけ。

  • 森から多様な植物を取り寄せて、室内を森のように飾る。
  • 森の「葉」を使った「夏至寿し(ごはん)」をいただく
  • ロウソクやソーラー・ランタンを灯す
  • そして、みんなで太陽と森を祝う

今年は石川県金沢市の森Lover・林業女子たちに「のれん分け」をして同時開催&ライブ中継が成功!
去年も「マチモノの夏至祭」と連携開催をさせてもらいましたが、今年もまた新しい仲間が増えました。嬉しい!
この同時開催に伴い、これまで3回にわたり装飾を担当してくださった花人・藤木卓さんは金沢の会場へ。
今年の東京会場(5×緑さんのシェアオフィス)は、クリエーターのRARI YOSHIOさんが担当してくださいました。

オフィス空間が見違えるような、緑の空間へと変貌

今年も、東京会場には

  • 岐阜県下呂市の『杉玉・酒林の高林』さんから香り高い杉と高林さんセレクトの多様な植物
  • 栃木県那珂川町の『NPO法人馬頭里山本舗』さんからは見事なテイカカズラの蔦と、馬頭本舗さんセレクトの多様な植物

がたくさん届きました!本当にありがとうございます。

さて、天井に這わせたリースワイヤーに、届いた植物をつないで室内に森を作るメカニックは、花人・藤木卓さんに教えてもらった方法です。はじめに重量のある杉の枝葉をバランスよく固定したら、コナラ、クヌギ、モミジ、ヤマザクラ、クロモジ、シラカシ、ヤツデなど、さまざまな形や大きさの葉っぱをつけた枝を加えていきます。くるくると巻いて届けられた5m以上ある長い長いテイカカズラがとりわけ大きな存在感を発していましたが、多様な枝葉が加わるほど、空間が調和して森のように一体化していく様が印象的でした。

毎度のことですが、この装飾のひとときに心が揺さぶられます。

会場は今年も共催の『5×緑』さんが入居するシェアオフィス・合羽坂テラス。オフィスとはいえ、テラスに『5×緑』さんの植栽がこんもりしていて、いわゆる殺風景なオフィスとは雰囲気の異なるやわらかな雰囲気のスペース。それでもRARIさんのディレクションを受けて、天井や窓際、そしてテーブルにも森の植物が飾られていくと、室内の様相も空気感も驚くほど神秘的に変わっていくのです。

植物たちが運んでくれる濃厚な森の匂いと夏至の気配。
グリーン・マジック!夏至の魔法!森の力が会場に満ちていきます。

美味しい夏至ずしと発酵料理、自然の恵みに感謝!

パーティといえば、やはりお食事も大きな楽しみのひとつです。集う人々と何を分かち合って食すかは、「お祭り」の大切なテーマでもあります。

この「夏至祭」で初回から恒例になっているのは、「朴葉寿し」。手のひらの2倍くらいある大きな朴の葉に、鮭と刻んだミョウガダケを混ぜ込んで山椒の葉を添えたお寿しを包みます(今年は葉っぱの表裏を間違えて包むという失敗も!・笑)
杉の枝葉を届けてくださっている『杉玉・酒林の高林』の熊崎惣太さんのお母様直伝のレシピを頂いて、今年もみなさんと一緒に楽しく仕込むことができました!

そして今年のお料理は、中野真那さんと松橋京子さんのユニット『松中食堂』さんにお願いしました。日頃合羽坂テラスでお料理しているとあって手際も良く、5×緑のスタッフのみなさんが一緒に手伝ってくれて、美味しいお料理は大好評でした。発酵食品を取り入れた野菜たっぷりのやさしい手料理、胃袋も心も満たされます。

【当日のお料理】

  • トマトのカクテル
  • しょうゆ麹のきんぴら
  • 彩り野菜のグリル ヨーグルトのハーブソース添え
  • ショートパスタのサラダ
  • 塩ゆで豚
  • ゆで卵の塩麹漬け
  • 甘酒のフォカッチャ

みなさんお待ちかねのデザートは、フラワーデザイナーで野草菓子研究家の袴田裕美さんが創る桑粉が入った水羊羹です。表面に枝豆、そら豆、グリーンピースという3種の緑豆が並ぶさまは、まるで行く川に浮かぶ緑の置き石のようで、つやつやとした桑の葉にのせられて、オブジェのような美しさです。

そしてデザートとともに供されたのは、和ハーブティー。和ハーブスタイリストで一般社団法人和ハーブ協会理事の平川美鶴さんがこの日のためにブレンドしてくださったのは、ヨモギ、スギナ、ドクダミ、チャノキ、イブキジャコウソウ、カキドオシ。水羊羹と本当によく合って実に滋味深く、穏やかな香りのハーモニーが、宴を穏やかに閉じてくれました。

素晴らしいゲストの方々と、濃密な夏至の夜を過ごす。

呑んで食べておしゃべりするだけでは終わらないのも、森を祝う「みんなの夏至祭」の魅力です。

こちらも恒例、一夜限りの「出張・木林文庫」には、「樹上の猫と木登りの本」をテーマとする書物が並びます。「木林(きりん)文庫」は、「木」にまつわる魅力的な本を集めた須山さんご夫妻私設図書館。彼らの選書を楽しみにしている参加者も多い筈。

ストーリーテラー・高階 經啓さんが、『不思議な国のアリス』の一節を朗読すると、あら、不思議。夏至祭の森に、チェシャ猫の笑い顔が浮かんで消えました。

そして、響きもの・山本コヲジさんがクリスタルボウルに触れると、室内の森にしたたるような深淵な波動が広がりました。『Forest Notes』がつなぐ、馬路村の森のライブ音とクリスタルボウルの響き合い。時空は森で溶けあい、私たちは、不思議な浮遊感の中で満たされていた、そんな不思議なひとときでした。

手帖『和暦日々是好日』を毎年発行されている高月美樹さんの歳時記トークでは、古今東西のトリビアな夏至の話の数々にわくわくと好奇心が刺激されました。ヨーロッパでは夏至は「聖ヨハネ祭」、冬至は「クリスマス」というお祭りと重なり、それぞれに植物とつながりがあること。一方、日本でも古来、「薬刈り」という季語が表すようにこの時期は薬草摘みが習慣になっていたこと。etc.......夏至という季節を幅広い知識と豊かな感性で紐解いてくださいました。

20190701-morinezumi.jpg昨年2018年の夏至祭のオープニングアニメーションで登場した『モリネズミ』を創作してくれた伊藤有壱さんは特別ゲスト。可愛い絵ハガキプレゼントのサプライズもありました。今年『モリネズミ』は伊藤さんの了解をもらって「公式キャラクター」に。

こうして、街に住まう私たちの森への想いを形にし、緑とともに至福の時を過ごした森を祝う『みんなの夏至祭』2019。

来年は、どこで、どんな人たちが集うようになるでしょうか。
今からわくわく、来年への時を紡いでいきます。

森を祝う「みんなの夏至祭」2019

【第一部・準備を楽しむ】
16:00~飾り付けと夏至ずしの仕込みをみんなでわいわいと
 夏至寿司:朴葉ずしをつくります
 会場装飾:RARI YOSHIOさん
 お料理:松中食堂さん
 山の植物:杉玉の高林(岐阜県下呂市)さん
      NPO法人馬頭里山本舗(栃木県那珂川)さん

【第二部 夏至祭パーティ】
18:30~呑んで食べて緑を味わって、森の話に耳を傾けたり、伝えたり。

■お楽しみプログラム

  • 響きもの・山本コヲジさんによるクリスタルボウル
  • 「和暦日々是好日」の高月美樹さんの歳時記トーク
  • ストーリーテラー・高階 經啓さんのとおしゃべりできる「話し相手」のコーナー
  • エクリさんの出張「木林文庫」と高階さんの朗読
  • 特別ゲスト:2018年の夏至祭ムービー、冒頭のアニメーションを制作してくれたi.toonの伊藤有壱さん

■会場
合羽坂テラス(新宿区市谷仲之町2-10)

■主催:私の森.jp+5×緑の学校

■ご協力いただいたみなさま
当日ご協力いただいた方々を、レポート(2)にてご紹介しています。
【レポート】森を祝う「みんなの夏至祭」2019@ 合羽坂テラス(2)イベントでご協力頂いたみなさま

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 Facebook:森を祝う「みんなの夏至祭」
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