19.0%
公共建築物における木材利用は住宅などに比べて低く、国土交通省「建築着工統計」によると2012年度(平成24年度)に新築・増築・改築を行った建築物のうち木造の割合は、建築物全体では41.0%であるのに対して、公共建築物では9.0%にとどまっています。
なぜ低いのでしょうか? 主な理由としては、戦後の災害に強いまちづくりに向けて、耐火性、耐震性に優れた建築物への要請が強かったこと。そして、戦後復興期の大量の伐採による森林資源の枯渇や国土保全上の問題への懸念などから、国や地方公共団体が率先して建築物の不燃化(非木造化)を進めてきたことが挙げられます。
一方、公共建築物は地域での展示効果やシンボル性も高いため、これらを木造で整備することは人々が木材利用の重要さや木の良さを知るうえで効果的と考えられ、また、木材需要の拡大につながるという期待もあります。
こうした中、2010(平成22)年にはこれまでの「建築物の非木造化」という方針を転換し、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が成立。同法の施行にともない、農林水産省と国土交通省では、公共建築物については可能な限り木造化・木質化を図り、国が整備する低層の公共建築物は原則として全て木造化を図るとの目標を掲げました。
公共建築物の木造化は木材の需要拡大に向けた新たな動向として注目され、学校の木造化などの取り組みも全国各地で進んでいます。
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参考リンク
林野庁:公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律
林野庁:平成26年度 森林・林業白書 全文 > 第1部 第IV章 第2節 木材利用の動向(3)PDF版
(2015.06 更新)
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