アメンボはなぜ沈まない?
川や池の水面をスイスイ滑るように移動するアメンボ。その生態として、当てはまらないのは次のどれ?
- 自らの体重の数十倍の力がかかっても沈まない
- 「カメムシ目」である
- どんな状態の水面でも浮くことができる
- 飛ぶことができる
3どんな状態の水面でも浮くことができる
まるで「水の忍者」のように川や池の水面を縦横無尽に滑るアメンボの姿をみて、「なぜ沈まないの?」と疑問をもったり調べたりした方も多いのではないでしょうか。
アメンボが沈まない理由は3つ。一つ目はシンプルに軽いからです。平均的な大きさのアメンボの体重は、わずか0.04〜0.05gほどしかありません。アメンボ20〜25匹と1円玉1枚(1g)が同じ重さです。
二つ目の理由は、「表面張力」。アメンボの体重でへこんだ水面には、「平になろう」という表面張力が働きます。水と水がひっぱり合う力です。このとき、凹みを作っている撥水性の物体(ここではアメンボの足)は上向きの力を受け、ほとんどこの力によってアメンボは浮いています。
もう一つは「足の撥水性」です。アメンボの足は、びっしりと生えた細かい剛毛によって覆われ、その毛の表面を体から染み出した油がカバーして水をはじいているのだそうです。油が塗られた毛の隙間には水が侵入することなく空気で満たされる、それが撥水性の正体。「体重の約60倍の超撥水性がある」という記述もあるほどです。
驚くほどの撥水性がある足を持つアメンボですが、実は比較的きれいな水面でしか浮くことができません。ある実験では、水面に「洗剤」を垂らした水槽でアメンボが沈んでしまいました。洗剤は水より軽いので、水面に浮きあがります。その結果、アメンボの足の油と水面の洗剤がくっついて、水と水がひっぱり合う表面張力が無くなって沈んでしまう。つまり、アメンボは、洗剤を含んだ生活排水などで汚れていない水面でしか浮かべないのです。
意外なことに、アメンボは飛ぶこともできます。私たちがいつも見かけるのは水の上ですが、実は最長で500mほど飛んだという報告も。
ところで、アメンボの臭いを嗅いだことはありますか?
実はアメンボはカメムシの仲間。「臭腺」を持っています。そこから発するのが「飴の臭い」だということで、「飴棒」、「飴坊」がアメンボの語源だとされています。実際に臭いを嗅いでみたい方は、カメムシ目の特徴である注射針のような口で刺されないよう充分気をつけましょう。
参考リンク
エコ〜るど京大【京大!バイオスクープ file 22】 8月の虫 アメンボ
SAITAMA/リバーサポーターズ
ミヤマ株式会社〜ミクロ探偵団〜アメンボ
ホンシェルジュ〜5分でわかるアメンボの生態!空飛ぶ甘い昆虫?水の上を歩ける理由なども解説
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