2011年10月10日、私の森.jp初の公募企画となる森あるきのイベントが実施されました。題して「【私の森.jpミニ企画:私の森あるき】森のつながり探しナビゲーター・上原さんの「行きつけの森」を歩こう!」。都心からも楽に移動できて一日たっぷり楽しめる、秋の森あるきをレポートします。
※こんな感じで募集しました。関心のある方は今後もチェックしてくださいね。
http://watashinomori.jp/news/2011/20110930_09.html
午前10時。相鉄線三ツ境駅に上原健さんをはじめ、応募いただいた参加者のみなさんと、私の森.jp編集部の面々、合わせて10数名が集合。めざすは徒歩十分もかからない身近な森、「横浜市旭区 追分・矢指市民の森」。前夜いきなり降り出した雨で天候が心配されましたが、幸い朝にはすっかり晴れ上がり、秋晴れのもと、紅葉が進み始めた桜並木を進みます。
この一帯は他にも瀬谷市民の森、聖マリアンナ医科大学、程ヶ谷カントリー倶楽部などが隣接し、広大な緑地を形成しています。中でも追分・矢指市民の森は横浜でも注目の里山、最近目立って生物多様性が高まっているスポットです。詳細な「森づくりガイドライン」に基づいて、横浜市と地権者の皆さんで作る「愛護会」が協力して手を入れているおかげで里山の動植物が増えているそうです。
中原街道を右折して進むと、間もなく「旭大橋」にさしかかります。ここからは市民の森の谷間部分に広がる田園風景を一望にできます。正面に見える白い大木はユーカリだそうです。また中原街道の高さからは、市民の森を樹高の中程の高さで観察できることなどを教わりながら森に入り、いよいよプログラムが始まります。
右上の大きな木がユーカリ
最初に上原さんから、森あるきの必需品や、持っていると役立つものなど、教わります。特に写真撮影のためのいろいろな工夫に参加者も興味津々。肘や膝をつくための小さなレジャーシート、レフ板がわりにする白い布、フラッシュの光をやわらげるためのお手製カバーなどなど。
自宅から近くて週に何度も足を運んでいるという上原さんにとってこの森はいわば「行きつけの森」。そんな達人のガイドのもと森を歩き始めると、次から次へと見どころが出現します。タヌキの頭骨、ツチグリという名のキノコ、この一帯に190種類もいるというカメムシの仲間たち、咲き誇るツリフネソウ、あまりに細長くてとてもクモには見えないオナガグモなどなど。
上原さんおすすめ、森あるきの必需品
どれも一人で歩いていたらとても気づけないようなものばかり。しかも上原さんは、それぞれの写真に撮るコツまで教えてくれるので、もう全員が夢中! 日光を浴びているキノコは逆光でフラッシュを焚いて……、クモの巣を撮るなら光の角度を調整して……。一向に先に進まなくなってしまい、「お弁当の時間がなくなっちゃうよ」とため息をつく上原さん。
後半は、この市民の森を管理する「横浜市環境創造局みどりアップ推進課」の内山さんにも参加していただき、かつて薪炭林として定期的に手が入っていた森を、間伐などによって無理なく継続して更新させていく方法を模索している様子など、森の手入れについて教わりました。また、台風の被害で根こそぎ倒れた木や、幹の途中で折れてしまった木など、自然の荒々しい一面に圧倒されました。
森でのプログラムを終え、愛護会の桜井会長さん宅に移動して、それぞれが撮った写真をプロジェクターで上映しての振り返りタイム。その人だけが発見した貴重な写真、同じものを撮っていても少しずつ着眼点が違うものなど、ここでの発見もたくさんありました。上原さんからは、もっと詳しくなるための参考情報の解説なども受け、16時に全プログラムを終了。
ふだんは海辺の森を歩いている人、キノコ好きの親子、森の生きもののマクロ撮影に目覚めた人など、参加メンバーの動機はそれぞれでしたが、初めて出会った同士でも、知らず知らず会話がはずみ交流できるのも森あるきの醍醐味のひとつです。私の森.jpでは今後もこのような森あるきを企画して行きます。どうぞお楽しみに。