クスノキの葉にある謎の膨らみって?
クスノキの葉の葉脈と葉脈の分岐点にある一対の小さな膨らみ。中は空洞ですが、これは何と呼ばれているでしょう?
- 涙袋
- 虫罠
- ダニ室
3ダニ室
クスノキの葉の葉脈と葉脈の分岐点にある2つの小さな膨らみは、「ダニ室」と呼ばれています。中は空洞で、葉の裏側に口を開いたような構造です。虫こぶと違って、虫がつくるのではなく植物側がつくるもので、多くの場合、中には「ダニ」が生息しています。
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Keisotyo
クスノキ以外にもサンゴジュ他さまざまな植物に見られるダニ室ですが、その働きには諸説あります。その一つが共生説。ダニには、葉に害を与える「植食性のダニ」と、それらの天敵である「捕食性のダニ」がいますが、この捕食性のダニがダニ室を産卵場所や避難場所として使いながら、葉に害を与える植食性のダニを退治しているという説です。
また、春に紅葉して葉を落とすクスノキは、植食性のダニをダニ室に閉じ込めて葉を落とすことによって排除するのだという説もあります。
クスノキの枝葉からつくられる「樟脳」が防虫剤に使われることから考えても、ダニを棲まわせる部屋があるというのは面白いですね。
写真左:Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Keisotyo
写真右:Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Keisotyo
参考リンク
謎の小器官「ダニ室」~名古屋大学大学院環境研究科 西田佐知子研究室
wiki:クスノキ
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