汚れない構造をもった生き物は?
水で汚れが流れ落ち、常にピカピカ、容易に汚れない。そんなメカニズムをもつのは次のうちどれ?
- カタツムリの殻
- ハスの葉
- フクロウの羽
1カタツムリの殻
最近街であまり見かけなくなったと言われるカタツムリですが、その「殻」がどろどろに汚れているのを見たことがあるでしょうか? あまり注目していなかったかもしれませんが、泥にまみれた殻を見ることはめったにないはず。なぜなら、カタツムリの殻には極めて汚れにくいメカニズムが備わっているからです。
研究によると、カタツムリの殻の表面には小さいもので数十ナノメートルという微細な「溝」が縦横無尽に走っていて、この溝に外からの水分が保たれ、殻の表面は非常に薄い水の膜で覆われた状態にあるといいます。そして、そのような状態の殻に触れた汚れは、水の膜の上に「乗っかる」状態になって、直接くっつくことはない。さらに水を加えると、汚れの下に水が入り込み殻から汚れが完全に浮き上がり、簡単に流れ落ちてしまうのだそうです。
このことが実感できる方法として、文化財虫菌害研究所のコラムには、こんな実験が紹介されています。「カタツムリの殻に油性ペン(マジック)で落書きをした後に水で洗い流してみるだけである。容易に落ちないはずの油性ペンの落書きが、水をかけ流し少しこすってみると、浮き上がり脱落するという。」実験好きな方はやってみてはいかがでしょう。
こうしたカタツムリの殻の構造と汚れを落とす仕組みは、雨が降れば汚れがきれいに落ちる「外壁材」などとして、私たちの暮らしに応用されています。
このように生物の仕組みや構造を真似た製品をつくったり、素材に応用したりする 「バイオミメティクス(生物模倣)」の例として、森のクイズでは以前、選択肢2) のハスの葉(ロータス効果)もご紹介していますので、合わせてご覧ください。
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私の森.jp>森のクイズ>ハスの葉が水滴をはじく働き、呼び名は?
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参考リンク
公益財団法人 文化財虫菌害研究所〜カタツムリとバイオミメティクス
CLOTH APP MAGAZINE〜カタツムリの殻は、汚れない
LIXIL〜外装壁タイル[はるかべ工法用]カタツムリの殻をヒントに生まれた防汚テクノロジー
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