「冬虫夏草」にはどんな用途がある?
冬は虫の姿、夏には草の姿になることから「冬虫夏草」と呼ばれるきのこの仲間。人間はどんな用途に利用している? 当てはまるものを全て選んでください。
- 生薬
- 食材
- 農薬
(1)生薬、(2)食材、(3)農薬 の全て当てはまります。
冬虫夏草はきのこの一種で、代表的なセミタケなどでは土の中の昆虫類に寄生し、その菌糸が地上に伸びて子実体(きのこ)を作ります。世界で約500種類、そのうち日本で約400種類確認されています。
セミの幼虫に生えた冬虫夏草
厳密には、狭義の「冬虫夏草」は、チベットなどが原産のオオコウモリガの幼虫に寄生する天然のOphiocordyceps sinensisのみを「冬虫夏草」と呼び、その他の虫に寄生するキノコ類は「虫草(ちゅうそう)」と呼んで区別するそうですが、ここでは全てあわせて「冬虫夏草」と表記します。
用途の1つ目。東洋医学の生薬として知っている人が多いでしょう。古来、冬虫夏草は不老長寿、強壮の秘薬として重用され、鎮静、鎮咳薬として病後の衰弱、肺結核などに用いられてきました。
用途の2つ目。薬膳料理の食材としても用いられます。料理の名前としては四川料理のスープ「虫草鴨子」(チョンツァオヤーズ)や、朝鮮半島の八卦湯(パルガタン)などが挙げられます。気になる味は「味もにおいもほとんどなく、煮込んでも柔らかくならず、特においしいものではない」とのことです。
用途の3つ目。昆虫の体をカビのように白く覆うボーベリアという冬虫夏草の仲間は、害虫に寄生させることで害虫を駆除する「生物農薬」として利用されています。
実は冬虫夏草、コツさえ身につければ誰にでも見つけられるとか。見つけやすい季節は梅雨から夏にかけて。発生場所は種類によりますが、川や沢沿いの道や斜面、薄暗い森の中など湿り気のある場所で見つかることが多いそうです。森歩きの際に探してみてはいかが?
参考リンク
Wikipedia「冬虫夏草」
HondaWoods「虫を操って世界を救う?奇妙な菌類「冬虫夏草」のお話」
生薬ものしり事典「キノコと虫が合体?!「冬虫夏草(トウチュウカソウ)」」
冬虫夏草の基礎知識「冬虫夏草の味と匂い」
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