植物が自ら成分を放出し、他種の生長を抑えるのは?
「植物が物質の放出により、他種の生長を抑えたり、自種の敵を遠ざけ、有利な動植物を引き寄せたりする現象」の総称は、次のうちどれ?
- ホメオパシー
- アレロパシー
- テレパシー
2アレロパシー
「アレロパシー」とは、ギリシャ語で「互いに+あるものへ降り掛かる」という意味の語を組み合わせた造語で、和訳では「他感作用」といわれます。
アレロパシーは、食害虫を遠ざけたり、食害虫の天敵を誘引したりと、植物の生存を有利にしたり、他種の植物の侵入を妨げ、自種群落を拡大させる役割も持ち合わせます。ただし、他種を妨げる物質を分泌し続けることで、個体や土壌の中で物質の濃度が上昇し、自家中毒を起こす事もあります。「かつて日本中で見られたセイダカアワダチソウの大きな群落が、昨今は見られなくなっている」というのも、典型的な例です。
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by 松岡明芳
セイタカアワダチソウは、根からアレロパシー物質を出してススキの生育を阻害するが、そのアレロパシー物質が自身の種子の発芽をも阻害するため、最終的にはススキに負ける。
その他にも、サルビア、コーヒー、雑草にまでアレロパシーとみられる事象が報告されていますが、「それがアレロパシーによるものなのか、はたまた化学物質以外の要素に起因する現象なのか?」を明確に区分するのが難しく、完全にアレロパシーだと証明された例は少ないそう。
身近なところでは、「じゃがいもはリンゴと一緒に保管しておくと、発芽が遅れて長持ちする」なんていう事象もアレロパシーとして取り上げられます。あなたの周りでも、思い浮かぶ出来事はありますか?
参考リンク
一般社団法人日本植物生理学会:植物Q&A「植物のアレロパシーについて」
農林水産省農業環境技術研究所:「植物のアレロパシー」(PDF)
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