珍しい竹の花、開花の周期は?
みなさんは竹の花を見たことがありますか? 実は開花の周期が長いためなかなか見る機会がないのだそう。2028年にピークを迎えるというハチクの開花周期は約何年でしょうか?
- 約60年
- 約120年
- 約180年
2約120年
タケ類は数十年に一度しか開花しないという生活史を持っているため、花を見ること自体が稀なのだとか。例えば、モウソウチクでは67年周期、マダケやハチクは120年周期、ミクラザサでは 60 年周期、熱帯性のタケ類・メロカンナ・バッキフェラは48年周期という具合。おまけに花と言ってもイネ科の花で地味なため咲いていても気付かれないこともあるそうです。開花周期が長いことと、目立たないことから、竹の花を見たことがある人が少ないようです。
タケ類が開花する時は、大面積で一斉に開花し、種子をつくり、その後枯死するとされています。ところが、マダケは一斉開花後もほとんど種子を作らず、結局地下茎からタケノコが伸びて増えるという不思議な特徴があります。
ちなみにマダケは1960年代に全国的に開花・枯死しています。その結果、材料が手に入らなくなった竹材産業に大きな打撃を与えたといいます。カゴやザルといった竹製品の日用品がプラスチック製品に置き換わるきっかけの一つになったという指摘もあり、興味深いです。
竹は地下茎でつながっているため、竹林は実はまるごと同じDNAを持つ一個体だから一斉に開花するのは理解できますが、離れた場所の竹が一斉開花した記録もあります。東大附属演習林の千葉演習林にはモウソウチクの開花周期を調べる試験地があります。ここで1930年生まれの株が1997年に開花したことから67年周期で開花するとされていますが、京都府や埼玉県にも植栽されているこのモウソウチクの兄弟株も同じ1997年に開花したのだそうです。
ここ数年では、ハチクの開花が全国各所で確認されています。香川県、静岡県、埼玉県、千葉県などで報告され、ニュースに取り上げられています。過去の文献の開花記録から、ハチクは120年周期とされており、前回の開花が1908年のため、全国的な開花のピークは 2028 年と推定されています。ハチクは2015年ごろから開花し始めていますし、2019年春にはキンメイチクが突如各地で開花し始めるなど、これから数年間、竹の花に出会う貴重なチャンスがありそうです。
珍しい現象ですし、一斉に枯死するのが目を引くためか、「竹の花が咲くのは不吉な前兆」とする都市伝説もありますが、花を咲かせて種子を作って枯れるのはイネ科の植物としては当たり前のこと。竹の一生が1年単位ではなく、人間の寿命と同じかもっと長いために異常なできごとのように受け止められてしまうのでしょう。
実は、竹の仲間についてはまだまだはっきりとわからないことが多く、今もさまざまな研究がなされているところです。みなさんもこの機会に竹ウォッチをはじめてみませんか?
参考リンク
120年に一度?竹の「一斉開花」現象
竹林景観ネットワーク
Wikipedia「竹」
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