森のクイズ

このクイズは、その道のスペシャリストの方に出していただく「ゲスト出題」です。
ネイチャーゲームのスペシャリスト、三好直子さんからのクイズをどうぞ!

Q
ゲスト出題
Q森のクイズ No.146

「蟄虫啓戸」とは?

何か虫がいかにもうごめいているような言葉。
いったいこれは何からきているのでしょう。

  • 故事成語
  • 旧暦
  • 虫の生態
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正解

2旧暦

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私たちが普段つかっているのは太陽暦。地球が太陽を一周する期間を一年とさだめた暦です。明治6年から日本で正式に使われるようになりました。
一方月の満ち欠けを基準にするのが太陰暦。一ヶ月が約29.5日。太陽暦と比べると年間11日短くなってしまい実際の季節の推移とあわなくなっていきます。そこで3年に一度閏月(うるうづき)をつくって1ヶ月加えて調整をしていましたが、それにしても季節感のずれは否めない。そこで季節の変化を読み込んだのが太陰太陽暦です。旧暦といわれ太陽暦になる以前に使われていました。

旧暦では地球からみた太陽の通り道(黄道)を24等分してその時期の季節感を短い言葉であらわします。「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼ばれ、ひとつの節気は約15日です。今年の3月は5日までが「雨水(うすい)」6日から「啓蟄(けいちつ)」21日からは「春分(しゅんぶん)」です。みなさんもこの二十四節気には馴染みがあるかもしれません。さらに細かくだいたい5日ごとに季節感を読み込む「七十二候(ひちじゅうにこう)」というものもあります。

クイズの「蟄虫啓戸」「すごもりむしとをひらく」と読み、今年(※)3月6日からの「七十二候」で、冬のあいだ土の中にいた虫も地上に出てくる頃という意味です。

この3月は、1日から「草木萌動(そうもくめばえいずる)」6日から「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」11日から「桃始笑(ももはじめてさく)」16日から「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」21日から「雀始巣(すずめはじめてすくう)」26日から「桜始開(さくらはじめてひらく)」31日から「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」季節が生き生きと動いているのを感じませんか。旧暦を活用すると、季節感に敏感になるように思います。
しかし、この暦は奈良を基準につくられているので、自分の暮らす場所の季節感とはだいぶ違うという方もいらっしゃるでしょう。

そこでおすすめはネイチャーゲームの「わたしの暦」。あなたのまわりで今おこっている自然のありように注目して、わたしだけの「七十二候」をつくってしまおうという活動です。

「わたしの暦」の作り方はこちら↓
公益社団法人 日本シェアリングネイチャー協会>自然を楽しむ~ネイチャーゲームで季節を感じて

昨年(※)の3月に私がつくったのはこんな作品です。視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、触覚、味覚...さまざまな感覚をとぎすまし、発見したこと印象にのこったことを漢字にしてふりがなをつければできあがり!
朝起きて窓をあけたとき、通勤通学の行き帰り、車窓からでもほんの数分でもこころを自然にむけて、日々の自然の営みを感じ取ってみてください。

三好さんが作られた「わたしの暦」(2022年3月)


(※)このクイズは2023年3月に作成されました。

参考リンク
暦職人
暦生活
くらしのこよみ

クイズの出題者はこんな人

三好直子

三好直子(みよし・なおこ)

五感を使って自然を楽しむネイチャーゲームの日本普及創成期から、指導者育成・国際交流を担当。
大人も子どもも本来持っているセンス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目をみはる感性)を呼び起こすお手伝いをできればと思っている。

公益社団法人 日本シェアリングネイチャー協会

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