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正解
3クマリン
桜餅の葉っぱが醸し出す、えも言われぬ良い香りの正体は「クマリン」という芳香成分。配糖体の形で多くの植物に含まれるポリフェノールの一種です。生きている葉の中では匂いはせず、葉を半乾きにしたり、塩漬けにしたりすることによってクマリンが生成して芳香を発するのだそうです。香料として利用されるほか、医薬品(むくみ改善など)にも使用されています。
そして、サクラは葉だけではなく、その樹皮「桜皮」も生薬として使われてきました。古くから民間療法では咳止めや湿疹などの治療に、また、江戸時代に華岡青州によってつくられた皮膚疾患の治療薬「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」には解毒などの目的で配合されています。
満開のサクラの下で、私たちはその特別な魅力に心打たれますが、葉っぱや樹皮にはまた別のパワーがあったのですね。植物がもつさまざまな香り成分や薬効を暮らしに取り入れてきた古人の知恵が、ここにも生きています。
参考リンク・参考図書
日本家庭薬協会 春の薬草・薬木
ウィキペディア:クマリン
漢方薬・生薬大辞典:オウヒ(桜皮)
『漢方診療医典 第6版』(著者:大塚敬節 他、発行:南山堂)
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