3葛油
葛湯、葛切り、葛餅、など食用でおなじみのクズは、マメ科の植物。日本各地で8月終わりから9月にかけて房状の花を咲かせます。根には大量の「でんぷん」が含まれており、これが「葛粉(くずこ)」の原料となります。葛粉は和菓子の材料や、料理のとろみ付けに使われています。
撮影:私の森.jpスタッフ
奈良県の「吉野葛」、福岡県の「秋月葛」、三重県の「伊勢葛」、福井県の「若狭葛」などが知られていますが、本物のクズの根から作られる「本葛粉」は生産量が少なく高価であるため、現在「葛粉」として市販されているものの多くは、小麦やサツマイモ、ジャガイモなどのでんぷんを原料としています。
クズは薬にもなります。風邪をひいた時に飲まれることが多い漢方薬の「葛根湯(かっこんとう)」は、クズの根を乾燥させたもので、発汗作用、鎮痛作用があるとされています。
そして、ツルの部分を煮てから発酵させ、取りだした繊維で編んだ布が「葛布(くずふ)」。軽くて光沢があり、独特の風合いのある布として、古くから貴族や武士の衣装として尊ばれてきたそうです。現在では静岡県掛川市の特産品として、壁紙や掛け軸、バッグ、草履、財布などがつくられています。
参考リンク・参考図書
ウィキペディア「クズ」
季節の花300:葛(くず)
掛川手織葛布
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