ジャコウアゲハの戦略とは?
春から夏にかけてその大きな姿を見かけるジャコウアゲハは、幼虫のころから「ウマノスズクサ類」を食草とします。その戦略とは?
- より多くの子孫を残す
- 外敵からの危険を回避する
- はやく成長する
2外敵からの危険を回避する
ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサ類は、毒性のあるアリストロキア酸を含みます。
この毒は体内に蓄積され成虫となっても消えることがないため、 鳥などジャコウアゲハを捕食するものは中毒をおこして、吐き出してしまうとか。
撮影:私の森.jpスタッフ
一度ジャコウアゲハによる中毒を経験した捕食者は、その後ジャコウアゲハを捕食しなくなるとのこと。思わず「賢い!」と唸らされてしまう、驚きの戦略です。
そのため、ジャコウアゲハ類に擬態して身を守る昆虫も存在し、日本ではクロアゲハ、オナガアゲハ、アゲハモドキがそれにあたるとされています。
このように、ジャコウアゲハを外敵から守る役目も果たすウマノスズクサですが、昔は生薬として利用されることも多かったようです。秋に枯れ始めた根を採取して乾燥させ、ヘビや虫などの解毒剤、打ち身、炎症止め、腹痛止め、さらにはハゲ薬にまで利用されていたそう!毒性物質を含むことが明らかになり、最近はあまり使用されなくなってきているとのことですが、とても興味深いですよね。
参考リンク
Wikipedia「ジャコウアゲハ」
Wikipedia「ウマノスズクサ」
昆虫エクスプローラ「ジャコウアゲハ」
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