1ザゼンソウ
周囲の雪を融かして花開くザゼンソウの様子
ザゼンソウは、冷帯・温帯の山岳地の湿地に生育する植物です。その姿が座禅を組む僧侶に見えることが名前の由来とされています。
水辺に咲くザゼンソウ
1月下旬から3月中旬、寒さの厳しい真冬に開花するザゼンソウには、とても面白い特徴があります。なんと、植物の個体が発熱して周囲の氷雪を溶かし、花を咲かせるのです。発熱後の温度は25度ほどで、外気温にかかわらず、一定のポカポカ温度が保たれます。虫の少ない真冬の厳しい環境下で、いち早く花を咲かせて受粉のチャンスを高めるための賢い戦略です。ザゼンソウの肉穂花序に多く含まれるミトコンドリアを、根に蓄えたデンプンと酸素と結合させて活発化させることにより、発熱が起きるというメカニズムとのこと。
雪の中で凛々しく咲く様に美しいイメージを受けるザゼンソウですが、意外なことに英名では「スカンク・キャベツ」(Skunk Cabbage)と呼ばれています。これは、発熱時に虫をおびき寄せるために生臭い匂いを発することに由来しているそう。
もしも冬の森でザゼンソウを見かけたら、少し注意して近づいてみてくださいね。
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参考リンク
Wikipedia「ザゼンソウ」
HiroKen花さんぽ>野山の花アルバム「ザゼンソウ」
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