山の怪異現象「天狗倒し」とは?
日本各地の森に不思議な言い伝えがありますが、中でもその代表格が天狗。では、天狗のしわざとされる「天狗倒し」とはどんな現象のことでしょうか?
- 大雨の後などに木々が一斉に倒れてしまう現象
- 山を歩いていて理由もなく転んでしまう現象
- 夜、木を伐り倒す音がするが翌日何事もない現象
3夜、木を伐り倒す音がするが翌日何事もない現象
「天狗倒し」とは、深夜にノコギリやオノで木を伐り倒す音が聞こえるのに、翌日様子を見に行ってみても木を倒した跡がまったくない、というものです。埼玉県飯能市に伝わる話では、山仕事に行って山小屋で泊まっていると、外で木を伐ったり、それが倒れる音が聞こえるが、朝になって見ると小屋のまわりにはどこにも木が倒れていなかったということです。ほかにも、昼間に山中で大声で呼ばれたり高笑いされる「天狗笑い」、山中で突然太鼓の音やお囃子(はやし)が聞こえる「天狗太鼓」や「天狗囃子」など、音にまつわる怪異現象はいろいろあります。
天狗のしわざは音だけではありません。夜中、山中に入るとどこからともなく石つぶてが飛んでくる「天狗礫(つぶて)」、雨の夜、山奥に出現する鬼火の「天狗の御燈(みあかし)」、山小屋の自在鉤を揺らしたり、時には小屋ごと揺らしたりする「天狗の揺さぶり」、そして神隠しとしても知られる「天狗隠し」など、コミカルなものから恐ろしいものまでいろいろ。山や森、自然を前にした先人たちの恐れと親しみが混ざり合った気持が反映されているようです。
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森学ベーシック:2.日本人と森:日本の森と神さま
参考サイト
Wikipedia「日本の妖怪一覧」
Wikipedia 古杣(ふるそま)
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